招かれざる客



(10) 塀の中から郵便が 〒

ある日、現金封筒が届いた。
差出人を見ても全然心当たりのない人だった。
しかも住所は見たこともない住所で、それは刑務所からだった。
しかし宛て先は確かに夫宛てだったのでとにかく開封してみた。
「鉄格子の間から漏れてくる日差しも次第に弱まり、 寒さがひときわ身にしむ季節に…」で始まる名文の(しかも夫より達筆 ^^;) 手紙とともに中には現金5万円が入っていた。
驚いたことに犯人からのもので、迷惑をかけたという詫び状に加えて、 5万円を返したので誠意を見せたことを裁判所へ手紙を書いてくれという 厚かましいお願いが書かれていた。
 

最初は「うわ、あきらめていたお金が戻って来た!」と喜んだが、 「待てよ、盗られたお金は28万円だ。5万円だけで誠意を見せたもないもんだ。」 と冷静になって、次のような返事を送った。
「盗られたお金は28万円ですから残りの23万円も返してくれたら、 ご希望通りお金を返してもらった旨、裁判官へ手紙を出してもよい」と。



さあ、結果はどうなったでしょうか? 後日談もおもしろいです!


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