ど根性アサガオ


「友達の友達はみな友達」、ということで、勝手に友達にしていただき、
その友達から「ど根性アサガオの種」だと言われて受取ったのは去年のこと。

道路の舗装脇やコンクリートや石のわずかな隙間から自然に生えて、
痛々しくも健気で逞しい姿に心打たれる時に、ど根性大根などと言う。
では、何故このアサガオが「ど根性アサガオ」なのかは不確かだが、
ど根性アサガオの種子の入手経路を友人から聞いた範囲で書いておこう。
(友人の「友達」と区別するためにあえて「友人」と書き分ける)

2010年に早期食道がんを公表した桑田圭祐のことはまだ記憶に新しいが、
闘病後音楽活動を再開した彼が、2011年に東日本大震災の被災者である
彼の音楽ファンを勇気づけるために、ど根性アサガオの種子を送ったとか。
次に、その種子が京都在住の同じ桑田圭祐の音楽ファンに配布され、
その後、友人の友達に種子が送られて、花を咲かせ、種子を増やして、
友人が手に入れた種子が我が家にまでやってきた、という訳である。

5月29日

水につけて沈んだものが発芽しやすいということだったが、
水に浮んだのはわずかで、ほとんどは水に沈んだ。
たくさんもらったのだが、ぜんぶの種子を蒔いた。
出てきた双葉はこんなもので、全部蒔いて良かった。

6月6日

まだこの時は、たくさん出てきたなぁという感じだった。

6月13日

ここまでくるとさすがに、これは多過ぎる。
こんなにたくさん出てくるとは思っていなかった。
逞しいど根性?

間引かなくっちゃ、とは思っても、他にはもう空の植木鉢がない。
後から思えば、新しいプランターを揃えて買ってくれば、
写真に撮るなら見栄えも良くきれいに揃えられたものを。
家にあった物だけで済まそうとしたケチ精神が悔やまれる。

たくさん芽を出したのを捨てるなんて勿体無くてできない。
ということで、双葉から本葉が出てきて、過密状態です。

なお、現在では、「双葉」は「子葉」、「本葉」は「葉」と言う?

7月6日

ツルが延びてきた。
支え棒を設置した時にはさすがに心を鬼にして間引いた。
人間社会では許されない成長が遅く弱々しい葉を間引いた。

7月12日

ここでも又、ケチ精神が悔やまれる。
家にあった支え棒ではすぐにツルは行き場を失い、
支え棒のてっぺんでふらふらと風に揺れていた。

そこで、軒下へ紐を伸ばして、ツルの行き先を誘導した。
写真を撮るなら、もっときれいな物で揃えるべきだった。
小学生の朝顔鉢を真似て支柱を立て横に回すべきだったか。

8月17日

皮肉にも、待ち焦がれていた一番花が咲いたのは、
土からわずか15cm伸びただけの茎の先だった。
しかも、大雨の翌日にこの1つだけが咲いていた。
あっぱれ、ど根性。


前日は、停滞する前線の影響で、激しく強い風と
「記録的短時間大雨」と言われる猛烈な雨が降り、
朝起きて見ると、紐が外れてツルが倒れていた。
起こしてやったのだが、砂まみれになっていた。


間引いたとは言ってもあれだけたくさんの葉が出ていて、
7本の支え棒と5本の延長紐では、足りるはずがない。
そう、1本の支え棒に右や左から何本ものツルが絡まり、
延長紐のない支え棒からは隣の紐へツルを伸ばしている。
何としても上へ上へ伸びようという逞しいど根性だ。

8月18日

やっと美しいアサガオの花が咲きました。

8月19日

色は2色です。

8月20日

この日は、控え目で上品な小ぶりの花が14個も咲いた。


少し角度が違ったが、同じ花を撮った。
上は7時25分撮影、下は11時52分撮影。
右側2本の花は白っぽく撮れているが青色なのに、
お昼前には早くもしぼんでピンク色になっている。
朝、花開いて、お昼までもたない。余りにもはかない。

8月20日
8月21日

実はこの場所は延長紐が行き止まりで、
まだ延びたいツルは下へぶら下がっている。
2日続けて同じ場所で同じように咲いたが、
もちろん、毎日違う花が咲いている。
実はこの次の日も同じように咲いた。
順番に咲く蕾がたくさんあったのだろう。

8月25日

上の方で咲くピンクの花で終わろうかと思ったが、
下の方で咲く青色の花も平等に入れて終わろう。

8月26日現在、まだ毎日いくつかの花が咲いていて、
種の写真も入れ次へ繋げて終われば良かったのだが、
諸事情から、この段階で終わることにします。

友人からは何日も前から毎日10個も咲いているとの報告を受けていたのに、
我が家のアサガオはなかなか咲かなかった。育て主に似て遅かったのか。
もし咲かなかった場合は、どんな風に書こうかといろいろ考えていた。

「我が家までやってきたアサガオは長旅に疲れて根性がなくなっていた…」

「我が家のアサガオは育て主に似て花開く前に枯れてしまい根性がなかった…」

「”3代目は会社を潰す”と言うが、アサガオの世界にも通ずるのか…」

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咲き終わった後は種を採取して、翌年も同じように咲いた。
そして、2年後の2016年も花は少なかったが、咲いた。
花が少なかったのは、前年に保存した種が少なかったからか。

種はプランターに蒔くのだが、地面から芽を出したのがあった。
去年の種が地面にこぼれて、地中で芽を出す時を待っていたのか。
庭を掃除する度に踏みつけないように気を付けて見守った。
ツルを伸ばしたら、地面からでも支え棒を立ててやろうと思っていたが、
ツルを伸ばすこともなく、4枚の葉だけで背丈もわずか10cm。

それが、突然、花が咲いた!
いえ、突然ではなく、蕾ができていたのを気が付かなかったのだ。


朝(7時49分)写真を撮ってから4時間後のお昼(12時9分)には、
青色から早くもピンク色に変わって、すでにしぼみかけていた。

隣にはもう1つ、まだ双葉(子葉)が出ている状態のもある。

地面から芽を出してツルも伸ばさず立派に花を咲かせて、
これこそが、ど根性アサガオではないだろうか。


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