お騒がせ荷物


雪を抱いた山が見える飛行場に到着

大阪の関西空港から飛行機に乗り、ノルウェーのオスロを経由して、
フィヨルドの旅の後、ベルゲンから小さな町モルデへ着いた。
ベルゲンからモルデまでの飛行機はプロペラ機でしかも自由席だった!
チェックインの時いつものように「窓側の席を」と言ったら、
「自由席だからお好きな席へどうぞ」と言われた。
私は飛行機の自由席というのは初めてだったが、夫は何度か経験済みとか。


飛行機の窓から車輪が見える

ついでながら、おもしろいことを発見した。
当然といえば当然ながら、プロペラは超高速で回っているので、
飛んでいる時に窓からプロペラが回っているのは目には見えない。
ところが、写真に撮ったらちゃんとプロペラが写っていた。


モルデに着いて荷物を受け取ったらスーツケースが壊れていた。
苦情を言ったら、これは修理のしようがないだろうとのことで、
新しい同じ物を探して後からホテルへ届けると言われた。
「でも15年位前の古いものだから同じ物があるかどうか?」と言われて、
「15年も経っていませんよ!でも10年以上にはなるかな?(^^;)」と夫は言って、
「別の物でも良い」と言ったら、その場で赤いトランクを持ってきた。
さすがにそれは色が気に入らないと言ったら、次に灰色のを持ってきた。
色も気に入らなかったし大きさもちょっと大きくて気に入らなかったが、
ともかく何かなければ困るので、それで良いと妥協した。

事務所で荷物の中身を入れ換えて、いざ歩き出そうとしたところで、
「これは重すぎて駄目だ」と夫が言った。
取っ手が付いている場所が悪いのか、引っ張ると重いのだ。
我々のはサムソナイト製だったが、別のメーカのでも良いと言ったら、
今度は黒いのを持ってきた。大きさも形もなかなか良かった。
中身を入れて引っ張ったら今度は軽く持ち運べるので、これで決まり。

前のはサムソナイト製で色も大きさも気に入って長年使っていたのに、
ノルウェーの小さな町モルデで別れることになるとは思ってもいなかった。
が、そろそろ買い換え時とは思っていたので、新しいのをゲットできて幸運か。

さて、次にオスロから飛行機に乗り、ギリシャのアテネで乗り換えて、
サントリーニ島まで行ったが、この時この荷物が騒動の元になった。

オスロでチェックインの時「荷物はサントリーニ島まで行く」と言われた。
が、アテネでは「荷物もチェックインし直さなければいけない」と言われた。
それからが大変、荷物を探して空港内を上へ下へと歩かされた。
結局、荷物は見つからず、「荷物はサントリーニ島まで行くはずだ。
チェックインし直さなければいけないと言った係員の間違いだ」と謝られた。
しかし、「サントリーニ島は小さな空港だから税関は無い。
荷物もアテネで税関を通らなければならない」との言葉にもうなずけたが…。
荷物が果たしてサントリーニ島まで行くか不安だったが、ともかく搭乗口へ向った。

搭乗口ではオーバーブッキングで4人分のキャンセルを募集していた。
オーバーブッキング自体はよくあることで、先を急がない人は応募すると良い。
日本円で4万円とその日泊まるホテル代と翌日のビジネス席の切符がもらえる
という条件には、申し出たかったが夫は仕事なので日にちに余裕はない。

搭乗時間が遅れていたのはこのキャンセルの申し出客がなかったからだろうか。
ま、それでも少し遅れて搭乗が始まった。
ところが、乗ってからが又待たされた。なかなか飛び立たない。

その内放送があって、不審な荷物があるので飛行機から降りるようにとのこと。
持ち主が確かでない荷物があるので、自分の荷物を確認するようにとのこと。
我々は2人で1つの荷物だけだったので、私は機内に残った。
飛行機の外に出ると、ずらーっと荷物が一列に並べてあったそうだ。
ところが、我々の荷物は端っこに置かれていて、それを数人の人で囲んでいたとか。
他の人達は、自分の荷物だと指差せばそのままその荷物を積み込んでいたのに、
夫だけは名前やどこから来てどこへ行くかとかいろいろ聞かれたそうだ。

が、ともかくもそれは自分の荷物だと言って積んでもらえたようだ。
思わぬことで、我々の荷物が確かに我々の乗る飛行機に積み込まれたことを知って、
ホッと安心したことだが、我々の荷物のせいで、1時間以上も遅れた訳だ。
しかし、搭乗していない人の荷物だけが積み込まれていては、
それこそ爆発などがあったらクワバラクワバラだから、
厳重にしてもらうのは良いことで、誰からも遅延の文句は出なかった。

他の乗客には迷惑をかけたが、我々が悪い訳でもないし…。
結局、荷物はオスロからアテネを経てサントリーニ島まで行くようにはなっていたが、
本当はアテネで荷物も税関を通らなければいけなかった、というのが本質か。
税関を通っていない荷物ということで、怪しまれた訳だから。
ノルウェーの空港はチェックも緩かったが、チェックイン処理も甘かったか?
ギリシャの空港はイラクなどに近いせいもあり、チェックは厳しかった。
我々は免れたが、たくさんの人がボディチェックを受けていた。
ノルウェーの空港が間違ったというのが真実だろうか…?

ともかくも、いろいろ振り回されたお騒がせなスーツケースだ。
が、これから10年以上は外国行きに付き合ってもらうことになるのだから、
ここで話題にしてやって、ご機嫌をとっておかなくっちゃ。
ん? まだこれから10年以上も外国へ行くつもりか…??


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