ゴールドコースト再訪




前回のゴールドコーストでは、パラセーリングと乗馬を体験したが、
今回の体験のハイライトは熱気球に乗ったことである。


【熱気球】

朝は5時起きで、まだ真っ暗な中を気球を揚げる場所へ車で向かった。
着地するのはいつも同じ場所と決められており(着地後、シャンペンで乾杯して 軽い朝食をとり、熱気球搭乗証明書が手渡されることになっている)、したがって、 その日の風向きによって飛び立つ場所を決める。
ある場所に着いて、一度風船を飛ばして風向きを調べる。
その結果を見て、更に車で移動して別の場所へ行く。
もう一度風船を飛ばす。
これで飛び立つ場所が決まった。


実はこれは2度目のトライで、一度この段階まで行きながら飛べなかったのだ。
その日は、天気は良いのに風があるということで中止になった。
事故防止のためには仕方ない。無理はいけない。

我々が乗るかごを横向きに倒して、少しずつふくらませていく。
十分にふくらまると同時にかごを上に向ける。
すでに日は昇っていて、朝焼けの中をいよいよ乗り込む。


1000mまで高度を上げると本には書いてあったが、 パイロットに尋ねるとこの日は600m位だった。
高度を上げたり下げたり、また方向転換もできる。
しかし、すべてはゆっくりゆっくり、ゆらりゆらりの空の散歩である。
2つの気球を相前後して同時に飛ばすので、
お互い、もう一つの気球を少し離れた所に確認しながら、
このように、もう一つの方の気球の写真が撮れる。
飛行時間は1時間ちょっと。
飛行機みたいに高くない場所から、ヘリコプターみたいに速くないスピードで、 ゆらりゆらりと漂いながら360度のパノラマが楽しめる。
高く飛んでいる時は、朝焼けに輝くゴールドコーストの美しい風景に詩人になってみたり、
低く飛んでいる時は、池に映った自分が乗っている気球の影に歓喜したり、
早朝からゴルフコースでゴルフをしている人達に手を振ったり、
これは価値のある体験だと十二分に満足できた早起きのひとときだった。


【野生のイルカの餌付け】

ブリスベンから船で1時間ちょっとで、モートン島に着く。
ここに、夜になると野生のイルカがやってくる浜辺がある。
餌付けが始まったのは、モートン島の船着き場のライトの光に集まる 小魚を食べに来ていた一頭のイルカが、船着き場からスタッフが投げ入れた魚を 食べたのがきっかけだそうだ。
授乳中の赤ちゃんイルカを連れていたそうで、 すごくお腹がすいていて食べたのだろうとのことだった。
その後、そのイルカと同じグループの他のイルカも餌付けに集まるようになったそうで、今では日によって違うが、我々が行った日は8頭ものイルカがやってきた。

日が暮れて薄暗くなると、沖合いの海から野生のイルカが浜辺へやってくる。
次から次へとやってきては、小魚とおいかけっこをしたり、 水と戯れて遊んでいる姿がかわいい。
耳を澄ますと、キィーという声で鳴いているのが分かる。
このイルカに餌付けをさせてもらえる。
海の中で膝までつかる位のところまで入っていき、海水の中に深く手を入れて、 手に持った餌の魚をやる。
イルカは魚を頭から食べるのを好むので、魚は尻尾の方を持ってやる。
手に持った魚を食べた時触ったイルカの口先は大変硬かったが、
顔の表情はとても柔らかくて優しいものだった。

餌付けが終わると、スタッフの人がバケツを叩いてバ〜ン!と音を立てる。
すると、それを合図にイルカはいっせいに暗い海の方へと帰って行った。
下に書くペリカンや鳥たちは、餌付けが終わってもいつまでも未練たらしく その辺に残っていた。
この辺りが、頭の賢さの違いだろうか…?


【野生のペリカンの餌付け】

 

モートン島では、朝8時頃には浜辺に野生のペリカンもやってくる。
多いときは40〜60羽ものペリカンが集まってくるそうだが、
この日はちょっと少なくて、20羽足らずだった。
このペリカンにも餌付けをさせてもらえる。
浜辺の後ろの大木からはタカもこの餌付けの餌を狙っている。
魚を持って手を上げると、待ち構えていたタカがサァーッと飛んできて
目にも止まらぬ早業で魚をくわえて飛び去って行った。
左の写真はその一瞬を捉えたものである。
ペリカンの他にもいろいろな鳥たちまでが集まってくる。

スタッフの人が、餌の魚の入ったバケツを私に持たせてくれた。
途端に私は人気者になった。
ペリカンが大きな口を開けて私に餌をねだる。


【野生のロリキートの餌付け】

 

カランビン・サンクチュアリーという野鳥園では、
決まった時間になると、どこからともなく、背中が緑で喉の辺りが紅い
派手な色合いの鳥「ロリキート」が集まってくる。
その数や、とても数え切れない恐ろしいほどの数である。
パン片の入った餌スープの皿を持たせてくれて、餌付けさせてもらえる。
皿を持つやいなや、野生のロリキートがワッとやってきて、
頭と言わず腕と言わず、体のあちこちに止まるのは圧巻!


 

カランビン・サンクチュアリー野鳥園には、おなじみの動物達も居た。
コアラはローンパイン・コアラ保護区で抱いたことがあるので、
今回はあいさつだけ。
カンガルーも決まった時間に餌をもらうので、その時同じように
餌を持たせてもらって、カンガルーも私の手から餌を食べた。
『外国旅行記』のAustralia オーストラリア体験記 を御参照下さい。


【土ボタル】

土ボタルとは、英語ではGlow-wormと言う発光虫である。
見た目は蚊に似ており、 雌雄とも尾の先端に発光器官を持ち、 青白い光を放つ。
蛍のように光が点滅するのではなく、光りっぱなしである。
メスがねばねばした卵を産んで、 岩や石の上などに植え付ける。
メスは卵を産むとすぐ死んでしまう。
ニュージーランドの土ボタルが有名だが、 ゴールドコーストから車で約1時間で行ける ナチュラルブリッジという熱帯雨林の 洞窟の中でも生息している。
洞窟の天井に無数に輝く土ボタルの光は、 洞窟へ行くまでの木々の間から見えた満天の星空と 見分けがつかない程の美しい幻想的な世界だった。
この絵は、ガイドさんが用意して下さった説明書から拝借。



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