大阪ダックツアー



シティプラザ大阪で停まっているこのバス、どこか変ですねぇ。
確かにバスだが、車体下のあの赤い鉄の棒は何の飾りか?


バスの後ろに回ってみると、なに!?なんだなんだ?!
これは船のスクリューではないのか?!
バスに船のスクリューとはこれいかに?
このスクリューが本日のツアーの謎解きなんですよ。

昨年の12月から始まったという水陸両用バスによる大阪ダックツアーに参加した。
大川(旧:淀川)を行く水上30分と御堂筋を駆け抜ける陸上70分の計100分間のツアー。
このツアーの最大の山場はなんといっても陸上を走っているバスが川に入るところ。
でも、自分がバスに乗っていてはそこのところを写真に撮れない。
そこで、もの好きは一つ前のツアーのバスが川に入る時刻と場所を調べて、
その時刻にその場所でバスを待ち受けて写真を撮ることを思いついた。
写真を撮った後で自分が乗る時刻までにツアー出発場所へ行っても十分間に合う。


桜之宮公園でバスが川へ入る場所はスロープになっているのですぐに分かった。
写真を撮るのに最適な場所もいろいろ検討して見つけておいた。


その時刻が迫ってきた頃、制服姿の男性(写真左下)がやってきて、
閉じているフェンスの所で立ち止まったので尋ねてみた。
「ここ、バスの運転手さんが降りてきて開けるんですよね?
やってくるバスを向こうで撮ってから、水に入るところを撮るために
あちらへ動く時間ってありますよね?(運転手が降りるんだから)」と。
「ありますよ。あのバスには私が乗るんですから」との答え。
何とこの男性は船長さんで、バスの運転手はここで降りて、
川を行くのはこの船長さんが代わって運転するとか。
なるほど!バスの運転手と船を運転する人は別物なのだ。


話している内に船長さんが「ほら、バスが来ましたよ!」と言われて、
あわててカメラを構えたら、なんとなんとその前を長〜いボートが横切る!
普段は公園の中をバスが通行などできないのを特別許可で入って来ているというのに、
邪魔だってばぁ〜。公園の木立の中をやってくるバスが隠れてしまった。
この公園には大学漕艇部の艇庫や共同艇庫などがあるのでこういうことも起こる。


ボートが通り過ぎた時にはバスはすでに目の前に来ていて、
川に向かって方向転換をする直前だった。
2枚もしつこくバスの写真を載せたのには意味があります。
バスというのは陸地を走るものと印象付けるためです。
そうです、以下の写真が尋常でないとの前置きです。


陸上を走っていたバスが、あれあれ、水の中に入って行きますよ!
いつの間にか見物人もどこから来たのかという位たくさん集まっていた。
公園で遊んでいる人達はこのことをよく知っているのですね。


おぉ!岸辺のビル群を背景になんとなんとバスが川の中を行っている!


さて、ツアーが出発する集合場所のシティプラザ大阪へ行き、
いよいよバスに乗ってツアーの始まり始まり。
が、その前に、素朴な疑問を側に居たガイドさんに尋ねた。
バスはハンドルを操作するが船になってもハンドルを手繰るのか?と。
その答えがこれ。ハンドルの横の小さな棒。
あの棒を動かして向きを変えたりするそうだ。


バスの中はこんな具合。
全員指定席に座るので、立っている人用の吊革はない。
前の方でハッピを着て立っているのはガイドさん。
天井はあるが、窓はガラスが入ってないオープン仕様。
川に入れば船になるので、小学生以下は救命ジャケットを着用する。
乗船名簿を作成しなければならず、全員の氏名・年齢・性別・住所を記入する。


ガイドさんは個性豊かな人でそのしゃべりがなかなかおもしろい。
「これは見るツアーではなくて見られるツアーです」との説明通り、
我々が乗っているバスに気がつくと街を歩いている人達は一斉にこちらを見る。
ガイドさんは「皆さんも手を振ってあげて下さい」と言って手を振るので、
歩いている人達も手を振ってくれたり携帯で写真を撮ったりしている。
ガイドさんは外の人達に向けて「ツアーに来て下さいね!」と言っている。
何しろ窓がないのでマイクでしゃべるガイドさんの声は外まで丸聞こえ。
聞けばこのバスの製作には1億円もかかったそうで、
ガイドさんまでお客の呼び込みに余念がなかった(?)。


さぁ、問題のバスが川へ入る瞬間です!
川の中へ入って水しぶきをあげた時には思わず歓声が上がった。


川に入ったバスは船になりきって川を進む。
すれ違う屋形船からは何と変わった船かと思われたことだろう。


水上クルージングも終わりに近づき、バスが川へ入った場所へ戻ってきた。
船になりきっていたバスが本来の姿を取り戻すべく今度は陸へ上がります。
やはりどこからともなくたくさんの見物人が集まってきていて、
我々の船が、いや、バスが(ややこしい)陸へ上がるところを見ていた。


車体が高いので、バスからの出入りは折りたたみ式のタラップを使う。
このタラップはバス内に設置されていて、出入りする時には
このように手伝いの人やガイドさんが手伝って階段を作る。

水上クルージングが終わって陸へ上がれば運転は再びバスの運転手に代わる。
大阪城、大阪天満宮、お初天神、御堂筋を走り、淀屋橋、道頓堀を通り、ツアーは終り。


このバス、水の中を走ったので水草を身にまとっていたり、
写真ではよく分からないが、あちこちから水が滴り落ちていた。

ハイ、“水も滴るいい男”ならぬ“水も滴るいいバス”でした。


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