趣味の養蜂


「Mizuの部屋」をいつも見て下さる友人の応援ぶりは、
これを載せると良いのでは?と、ありがたいことに、
ついに話題提供までして下さる域に達した。(^^;)

趣味で養蜂をしている知人が蜜蜂を見せて下さるというので、
同行させてもらい、いろいろ興味深い話を聞かせていただいた。


これは、「重箱式」と言われる巣箱で、手作りされたとか。
一番最初は、巣箱を山や畑のあちこちに置いてまわり、
ある日、その1つにニホンミツバチが入っていたそうです。
日本で養蜂されているのは日本ミツバチと西洋ミツバチの2種で、
大きさは、セイヨウミツバチの方が少し大きいそうだ。


ハチに刺されないかと手が震えてブレてしまったが、
一番下からミツバチが出入りしているのが見えるだろうか。

この巣箱に入ったのは、一番下を7mmの幅で開けてあるから。
7mmというのが微妙な幅で、これより狭いとミツバチが入れない。
これより広いと大きなスズメバチが入ってミツバチが襲われる。
スズメバチが入れないようなこの位の隙間のある場所を見つけて、
木の空洞の中や天井裏や戸袋などに巣を作るのだそうだ。

ずっとニホンミツバチを養蜂していたが、冬に死んでしまったとか。
ところが、次に集まったミツバチはセイヨウミツバチだったそうで、
そこでこの知人は今はセイヨウミツバチの養蜂をしていると聞いた。

ミツバチは花から集めて蓄えている蜂蜜を食べて成長する。
人間が蜂蜜を取ってしまうと、代わりに砂糖水などを与える。
それを怠ると、冬の間食べる物がなくて死んでしまう。

巣箱の中で、ミツバチの巣は天井から下へぶら下がってあるそうだ。
その巣の様子を見せてもらえるのかと期待していたのだが、
時期が悪かったか、中を見せてはもらえなかった。


蜂蜜は天井部分に蓄えられ、たくさん集まると、
蜂蜜のある天井部分の木枠を外して取ってしまい、
代わりに、一番下へこのような木枠を1つ足していく。

働き蜂は3ヶ月の寿命だが、女王蜂は数年生きる。
1つの巣は2万匹の集団で女王蜂はひたすら卵を産み続けるので、
数が増えると、女王蜂は働き蜂の半数を引き連れて巣を出る。
元の巣には、すぐに新しい女王蜂が生まれる。

これを聞いた時には、人間社会とは逆で不思議に思った。
新しい女王蜂(娘)が巣を出るのではなく母親が出るのだ。

これを「分蜂」と言うそうだが、半数の量といっても多数で、
女王蜂が引き連れて巣を出た働き蜂の集団は大きな塊になる。
木の幹や信号機に大きな塊があることがあるそうだが、
その「蜂球」というのを私はまだ見たことがない。
何匹かの働き蜂が新しい巣を作る場所を探して偵察に出るそうだ。


新しい巣を作る場所を探しに出る働き蜂に見つけてもらうために、
巣箱の近くにはキンリョウヘン(ラン科の花)を置くと良いそうだ。
写真は、この時は花が咲いていなかったがこれがキンリョウヘンで、
ミツバチの群れを引き寄せる独特の匂いがあるとか。

ミツバチには「円形ダンス」と「8の字ダンス」という独特の習性がある。
仲間の働き蜂に花が咲いている場所を教える尻振りダンスで、
円形ダンスは、花が100m以内にある時に行われ、
8の字ダンスは、花が100m以上離れた場所にある時だとか。
8の字の真ん中の直線部分が花の方向を示し、
ダンスのテンポが花の距離を表しているそうだ。
偵察に出た働き蜂が見つけてきた新しい巣の
予定地の方向と距離もこうして知らせるとか。

セイヨウミツバチは、同じ花を植えている場所で蜜を集めるので、
アカシアの花からアカシア蜜、レンゲの花からレンゲ蜜という風に、
花の種類によって集める蜂蜜の味が決まってくる。
一方、ニホンミツバチは同じ所に留まらずあちこちを飛び回って、
いろんな花の蜜を集めるので、蜂蜜の味もいろんな花の味がする。
ニホンミツバチの蜂蜜の方が高価だとか。


友人の知人に蜜蜂を見せていただいた後で友人の畑へも案内された。
友人は趣味で野菜を作っていて、採りなさい採りなさいと言われて、
収穫の楽しみも味わい、新鮮なお野菜をたくさんいただいて帰ったが、
実際のところ私は、もっぱらこのような写真を撮っていたのだ。

食い荒らされて地面に落ちたトマトとキュウリ、カラスの仕業だ。

猪やカラスには丹精こめた畑を荒らされて泣かされている人が多い。
ミツバチは、花の蜜を吸うだけで、畑を荒らすことはなく、
しかも、おいしい蜂蜜を提供してもらえる。
うん、趣味が「養蜂」というのも良い。


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