八甲田


八甲田山とは、十和田国立公園の北部の連峰の総称である。
八甲田ロープウェーは101人乗りの大きなゴンドラで、
一気に田茂萢(たもやち)岳の頂上まで行ける。


あいにくの雨の中、八甲田をロープウェーで上がった。
ふもとは紅葉が盛りだったが、上へ上がるにつれて、
すでに落葉しているために山の色が変わった。
山の色の変化に山の高さと季節の移ろいを実感した。


枝がふにゃふにゃと白く見えるのは、ダケカンバ。


小雨模様で風が吹きつける中、かすかにではあるが、
頂上からはむつ湾や青森市街が見渡せた。


天気が良ければ1時間コース位は歩きたかったが、
小雨の中なので、頂上から30分散策コースを歩いた。
多くの兵士が亡くなった雪中行軍ならぬ雨中散策となった。
赤いナナカマドの向こうは何も見えない。


写真(上)は、田茂萢(たもやち)湿原。
萢というのは、谷地と同様、湿地を意味する。
写真(下)は、毛無岱(けなしたい)湿原。
毛無岱湿原の方は遠くから見ただけだが、
田茂萢湿原の茶色に見えるところ、草紅葉がきれいだった。


手を広げた横綱の土俵入りを連想するアオモリトドマツの姿。
八甲田のアオモリトドマツは厳しい環境にあることが分る。
大量の雪の重みで枝が折れんばかりに下へしなっているのである。
この辺りのアオモリトドマツはどの木もこのような姿をしていた。

しかし、ロープウェーを下りたふもとでの散策では、
癒し系の風景が広がっていた。
下の写真は、紅葉とススキの競演とブナ林の中である。


時間があれば、いくらでも散策していたい場所であったが、
その日の内に青森空港から帰宅の予定で、八甲田を後にした。

以下は、もう2枚の写真をおまけです。


散策の途中で、強い風が落ち葉を吹き上げた。
空に舞う落ち葉をあわててカメラで狙ったが、
撮れていたのはこの程度。
道路を転がる落ち葉と空に舞う落ち葉。
「風と共に去りぬ」の落ち葉編でした。


最後は、八甲田でもやはり笑いましょう。
青森から八甲田へ向かう途中で寄った茶屋。
「長生きの茶」をいただきました。
一杯飲むと三年長生きし、
二杯飲むと六年長生きし、
三杯飲むとなんと死ぬまで長生きするんですって!

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