+ 獅子吼の庭

宝厳院の獅子吼の庭



紅葉の季節には、特に最近は、嵐山界隈は観光客で混雑が激しく、
紅葉の名所は避けなければならないが、紅葉がきれいということは、
新緑の「青もみじ」もきれいだということで、青もみじも見事だった。

天龍寺の塔頭寺院である宝厳院の「獅子吼の庭」を見に行ってきた。
「獅子吼の庭」というのは、嵐山を取り入れた借景回遊式庭園で、
「獅子吼(ししく)」とは、「仏が説法する」という意味だそうだ。

庭園内にはいろいろな形をした巨岩があちこちに配置されていて、
上の岩は、右を向く獅子に見えることから「獅子岩」と名前が付いている。
が、今の時期は、獅子の背中や顔の輪郭一面に苔が生えていて、
写真では、獅子には見えないかもしれないが。


他にも、巨岩には「碧岩」とか「響岩」という名前が付いていた。


庭園内を散策し、鳥の声や風の音を聴くことによって、
人生の真理を肌で感じることを「無言の説法」と言うとか。
人も少なくて、新緑の中を静かに散策すると、癒される。


雨に濡れた苔ではないが、苔の緑も美しい。


重しの蓋まで苔むした、これは古井戸だろうか。


小川が流れる緑の中も、歩いていて気持ちが良い。


これは一部だが、木立の中には遠目に何人もの羅漢像が見えた。


人生を思わせる「苦海」(空池)が広がる対岸には「雲土三尊石」があり、
苦海の中には、こちらの岸からあちらの岸に渡る「船石」が配置されている。
左奥には、鯉が滝を登って龍になるという登竜門の話を元にした龍門瀑がある。


この砂紋は、拝観の道順の途中にあり、まだくっきりと残っていたが、
歩いて行く中で気が付かないで踏みつけて模様を崩してしまうような。

砂や小石だけで水の流れを表現しているのだろうか。


「宝厳院垣」といわれる独特な垣根。


順番が逆だが、入り口の緑のトンネル。


上の写真の左側には、ここにも羅漢像が祀られている。


羅漢像といえば、宝厳院の門前にはたくさんの「嵐山羅漢」が祀られている。
「羅漢」とは阿羅漢の略称で、釈迦の直弟子の内で最高の位の者が阿羅漢で、
釈迦の弟子の中で崇高な修行者「悟りを得た人」を意味する、そうだ。


宝厳院の呼び掛けで、日本各地の個人や企業が奉納したのが「嵐山羅漢」で、
「五百羅漢」を嵐山に建立することで、嵐山の守護と景観保全を祈念して、
人類の安全安心と有縁無縁の菩提を弔う、ということのようだ。


アジサイの季節でもありますので、平和を祈念して、
アジサイの花に囲まれた羅漢さんで終わりましょう。


戻る   目次へ