庵(いおり)の自然食料理


ベジタリアンのドイツ人を自然食料理の店へ案内した。
以前、別のベジタリアンの人を自宅へ招いた時には、
そうでない人達と一緒だったので、いくつか出した料理の中で、
野菜料理や、肉料理に添えてある野菜だけを食べてもらったりしたが、
ダシにカツオを使ってもいけないから、準備するのに気を使った。
ベジタリアンと言っても、程度がいろいろあるようだが、
今回のベジタリアンの人は、牛乳や卵も食べないそうで、
豆乳を飲み、ヨーグルトやチーズも豆乳から作った物を食べるそうだ。
ドイツでは、家の庭の畑で野菜を作っているとか。徹底している。


秋には紅葉で賑わう高尾への入り口に当る住宅街に「庵」はあった。
住宅街の中の普通の民家なので、歩いていて見落としてしまいそうだ。

無添加調味料で旬の有機野菜を使って季節感を出した料理だ。
化学調味料、白砂糖、動物性の物はいっさい使用していないそうだ。
店主はマクロバイオティックの信奉者とお見受けした。

マクロバイオティックとは、「日本古来の食養生と、易の原理を融合して
確立された食養生法である。玄米正食ともいう。」とある。
「その土地で採れる旬の物を、部分余さず食べきるという、
一物全体・身土不二・陰陽調和の概念を持つ。」とか。
慢性病を、食事を変えることによって治したのが始まりで、
玄米、味噌汁、海草、その他の伝統的な食べ物からなっている。


  



 

この他にも、もう3皿のきれいな料理が出されたのに、
店主からの原材料と料理法の説明に耳を傾け、
客人への英語での説明に気を取られていると、
ついつい写真を撮ることを忘れてしまい、
箸をつけてしまってから「しまった!」と気が付く始末。
食べ物を前にすると、取材魂をすぐ忘れてしまう。
まだまだ修行が足りない。



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