指宿温泉と西大山駅


飛行機ではなく、新大阪駅から新幹線「さくら」に乗って直通で鹿児島中央駅へ。
鹿児島中央駅から指宿駅へ行くには、「たまて箱号」というおもしろい特急がある。
帰りの指宿駅ー鹿児島中央駅間ではその「たまて箱号」に乗ったので後で書くが、
便数が少ないために、特急より時間的に早くに着く鈍行で指宿へ向かった。
この鈍行というのが、近くの乗客同士で思わず笑ってしまう程の揺れだった。


あんなに揺れる車体は珍しいので記念に写真を撮っておいた位だ。
車体が悪いのか線路が悪いのか原因は分からないが、
メンテナンスが悪いことは確かだろう。

指宿といえば砂むし温泉、ということで天然砂むし温泉のすぐ近くの宿に泊まった。


海岸に湧出する温泉ということで、浜辺での砂むしは潮の干満に影響される。
湯気の立っている浜辺に1人だけ頭が見えたが、特別に許可された人のようで、
出かけた午前中の時間帯には波打ち際での砂むし入浴はできなくて残念だった。


潮の干満に関係なくできるよう浜辺の上の方に設置された砂場で入浴した。
脱衣室で衣服を脱ぎ素っ裸になって、浴衣を着て、砂の上に仰向けになる。
なお、水着の着用は発汗作用の妨げになるとかで駄目だそうだ。
髪や首や耳に砂が入らないように、フェイスタオルを頭に巻く。

係りの人がかけてくれる約50度〜55度の砂は、結構熱くて結構重い。
約10分間で全身に汗が吹き出してくるので、約10分間が目安だとか。
砂から出る時は両腕を出して、自分でお腹や胸の砂を取って起き上がる。


温泉が湧き出ている浜辺は限られた場所だけで、
その辺りは85度以上の温泉が流れていて危険なので、
ロープが張られてその場所へは入れないようになっている。
少し上のこの辺りなら大丈夫という場所で砂むしができる。
右側が海、湯気の立っている波打ち際が見えていて、
そしてその少し上の場所が砂むし温泉になっている。


指宿温泉では、砂むし温泉だけではないということで、
これは、泊まった旅館「吟松」の露天風呂。
露天風呂がそのまま海へ続いているようで、
海を眺めながら開放感に浸った。


宿の部屋の窓からも露天風呂からも砂むし温泉からも、
このような海を眺めながら海の風景を楽しんだ。


泊まった宿の「吟松」の夕食では、砂蒸し会席が良かった。
料理卓の中央に源泉が流れ込み、湯煙の中で料理を楽しむ。
湯煙立つ「温泉卓」では、蛸つぼの中のタコや温泉卵がゆだっていて、
桜鯛のしゃぶしゃぶ、黒毛和牛・黒豚・黒薩摩鶏の黒ずくめ料理も良かったが、


鹿児島といえば薩摩、薩摩といえばさつま揚げ、ということで、
仲居さんが目の前で揚げてくれる揚げたてのさつま揚げもおいしかった。


さぁ、指宿駅の写真も入れておきましょう。
何故かというと、ここから西大山駅まで行くからです。
鹿児島中央駅から指宿枕崎線に乗り指宿駅で降りたが、
降りないで乗っていると3駅先に西大山駅がある。

さて、西大山駅には何があるのでしょうか?


何にもありません。何にも無い小さな無人駅です。
でも、PM2.5で霞んではいるが開聞岳がきれいに見えています。
でもでも、開聞岳が見える、それだけではないようですよ。


この駅で降りて写真を撮れるよう電車は数分間停車してくれる。
それは、開聞岳と「JR日本最南端の駅」の写真を撮るためである。


我々は、指宿から特急の「玉手箱号」に乗るために指宿へ引き返したので、
このような「JR日本最南端の駅」「開聞岳」に電車も入れて写真を撮れた。


観光客が電車を降りるようになって、観光客向けだろうか、
「幸せを届ける黄色いポスト」なる黄色いポストまであった。


おまけで。開聞岳が見える反対側を見ても開聞岳が見えた。
これは、絵ではなく、線路際の鏡に映って見える開聞岳。


さてさて、これが鹿児島中央駅と指宿駅間を走る特急の「たまて箱号」である。
薩摩半島の最南端にある長崎鼻は、浦島太郎が竜宮へ旅立った岬と言い伝えられ、
長崎鼻一帯に伝わるこの浦島太郎伝説の玉手箱にちなんでいるそうだ。

海側から見ると白の車体、山側から見ると黒の車体で、
前と後ろから見ると真ん中で白黒半々に分かれている。
玉手箱を開けた浦島太郎の黒髪が白髪になった様子を表わしている。


ホームに入ってきた右側は白黒の特急「たまて箱号」と、
左側に停まっているのは黄色の快速「なのはな号」。


「指宿のたまて箱」号、愛称は「いぶたま」。
車内のあちこちや車体にも玉手箱の絵が描かれている。

車内はいろいろと工夫がされていておもしろい。
いろいろな座席が用意されていて、好きな席を予約する。


海に面したカウンターのある回転椅子席。
ずっと海を見ながら過ごすことができる。


本棚のあるソファーコーナー。絵本を楽しむスペース。
本棚の本を借りて行って自分の席で読むこともできる。


グループの人達用のボックス席。
グループの人達は向かい合っておしゃべりできる。


子供用の背の低いカウンターのキッズチェアとベビーサークル。
近くには子供を見守りながら過ごせる大人用の椅子席もある。


駅に到着してドアが開くと、ドアの上部から煙が…。
実は、煙に見立てたミストが吹き出ているようだ。
竜宮伝説の「玉手箱」をイメージさせる演出だそうだ。

白髪の皆さんは、逆に、黒くなったでしょうか…。


鹿児島から桜島へへ続く



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