ねじりまんぽ



南禅寺の近く、蹴上インクラインの近くで、
地下鉄蹴上駅1番出口を出て北へ歩いてすぐの所に、
歩行者専用の不思議なトンネル「ねじりまんぽ」がある。


では、「ねじりまんぽ」とは一体何のことでしょう?
「まんぽ」とは鉄道の線路をくぐるトンネルのことで、
それがねじれているから「ねじりまんぽ」だそうだ。


普通、レンガは地面に対して平行に積まれているが、
このトンネルは、レンガが斜めに積まれているのだ。

鉄道線路とその下の道路が斜めに交差する場合には、
強度を高めるためにアーチ部分のレンガを斜めに積む。


トンネルの西側入り口に書かれている扁額「雄観奇想」。
「凄い眺め、良い考え」という意味だとか。


東側入り口に書かれている扁額「陽気発処」だが、
風雪に耐えられず、文字が剥がれ落ちている。
「陽気を発する処(ところ)」という意味だろうか。


ねじりまんぽの上を走っている蹴上インクライン(傾斜鉄道)。
傾斜鉄道という名前の通り、少しばかり傾斜している。
分かりづらいが、上の2枚は上りを撮った写真と下りの写真。


さて、これは、ねじりまんぽを作った「田辺朔郎氏」の銅像。
いえ、言うまでもなく、ねじりまんぽだけではなくて、
琵琶湖疎水の設計・施工の総責任者となり、完成させた人だ。


京都と琵琶湖を結ぶために作られた水路を「疎水」と言うが、
写真の右方奥に琵琶湖へと続くその疎水が見えている。

勾配のある水路にレールを敷き、台車に船を乗せて、
ケーブルで引っ張って上下させていたそうだ。


インクラインは、現在ではもう使われていないが、
人を運ぶ鉄道ではなく、船を運ぶための鉄道だった。

船を運ぶために使われた貨車がインクラインに保存されている。
物資の輸送に使われた荷物を載せた船が貨車の上に乗っている。

蹴上船溜から南禅寺船溜までの間は高低差が大きく、
落差の大きい場所では船では運行できないために、
船ごとインクラインの台車に乗せて坂を昇降させていた。


インクラインから東へ行った南禅寺にある水路閣。
疎水事業の一環として施行された水路橋である。


ドラマなどでもよく出てくる水路閣だが、
水路閣の上を見ることは少ないだろうか。


水路閣の上はこうなっていて、水路であることが分かる。


蹴上インクラインは、水力発電を利用した舟を運ぶための鉄道だった。


ねじりまんぼのすぐ近くには、蹴上発電所がある。
琵琶湖疏水を利用した日本初の水力発電所である。
時代を帯びたその建物は、なかなかの風格である。

現存しているのは、第二疏水を利用した第2期工事の発電所だそうだが、
明治45年から稼働し、現在も関西電力蹴上発電所として現役だそうだ。


最後はやはり…。 これは、公園の遊具ではありません。

話が少し戻るが、蹴上インクライン脇の公園に置かれている導水管。
疎水から取水した原水をゴミ等を取り除いた後、浄水場まで導水する。
これは展示だが、これと同じ導水管で疎水の水を送り届けているそうだ。

でも、こんなのが公園にあると、くぐって遊びたくなるよね、
そこの子供たち、と、そこの親子連れの人たち。


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