くじら橋



大阪市東淀川区にある瑞光寺の入り口。
「鯨橋 瑞光寺」と書いてありますね。


入り口を入ってすぐに見えてくるこれは一体何でしょう?
何やら白い色をしているのが、これがそうかと思わせるに十分です。


これこれ、これがうわさのくじら橋です。
でも、くじら橋とは一体どういうことなのでしょう?


瑞光寺境内にある「雪鯨橋」を通称「くじら橋」と言うのだ。
橋げたなどの基礎部分は石造りだが、
欄干などがクジラの骨で造られているからである。
人間は他の生き物を殺して食べることで生かされていて、
この橋はその戒めとして、命の大切さを伝える象徴だ、
というのが住職のお考えのようだ。


境内にある弘済池に架かっていて、長さ約6m、幅約3mの橋である。
欄干は、イワシクジラの下あごの骨2本を中央で繋いでいて、
飾りとして扇骨(肩甲骨)やクロミンククジラの脊椎も使われている。


歴史は古く、最初の橋は18世紀半ばに架けられたそうだ。
クジラの供養のためにクジラの骨を使って橋を造ったのが雪鯨橋の始まりで、
骨は風化するので50年毎にクジラの骨で架け替えられてきたとか。
国際ニュースで騒がれているように、近年は国際的な制約で捕鯨が難しく、
調査捕鯨で捕獲されたクジラの骨を譲り受けて架け直したそうだ。


これは第五代目の扇骨(肩甲骨)で境内に飾って保存してある。
現在の橋は第六代目で2006年11月に架け直されたそうだ。


さて、これだけでは終わらないのがMizuの部屋の常です。
大阪市内には鯨料理の専門店があるというので行ってみた。
ビルの3階にある店の窓の外側にも、店の入り口のマットにも、
こんな可愛いクジラのマークが描かれていた。


つまようじや調味料入れにも、お皿類は言うに及ばず箸袋やコップ敷きにも、
はたまた大きな「鯨」の字が書かれたメニューにもこのマークが描かれていた。


それだけでなく、店の中には鯨が描かれた絵までが飾ってあった。


料理はもちろん鯨肉料理のオンパレードで、これは最初の何品かだが、
いつも箸をつけてから「あっしまった写真を撮らなければ」と気がついて、
料理の写真はいつもすべて後の祭りという始末で、まともなのはこれだけ。

クジラさん、あなたを食べたのは何年ぶりだったでしょう。
いえいえ、もっと、何十年ぶりだったかもしれません。
この頃近くの店ではあなたにお目にかかれないのです。
今回何年ぶりかであなたを食べさせてもらったおかげで、
あなたが食べるはずだった大量のオキアミなどの小魚が生き延びたことでしょう。
その小魚たちもいずれは私達人間が食べさせてもらうことになるかもしれません。
日本にはあなたの骨を使って供養させてもらっている寺があることに免じて、
そんなには食べませんのでほんの時々お目にかかることがたとえあっても、
その時はどうぞ許して下さいね。




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