嵯峨野の御髪神社と名残りの紅葉



今回の散策目的は、髪の神を祀る「御髪神社」だ。
嵐山駅の近く、小倉池の畔に佇む御髪神社は、
日本で唯一の「髪」様ということだ。


横から撮った御髪神社の全体写真だが、こじんまりとしている。
前に停まっている車と比べても、その小ささが分かるだろうか。


2つの鳥居をくぐって、お参りする。


社務所の壁には、たくさんの櫛型の絵馬が掛かっている。
髪にまつわる種々雑多ないろいろな願いが書かれている。

「髪を通して、多くの人を幸せへと導く美容師になります」
「美容師国家試験に合格できますように」などの願いは正統派。


「娘の脱毛症が完治しますようにお願いします」
「お父さんの髪がこれ以上抜けませんように」

娘を思う親心にも、父親の心配をする子供にも、
こんな絵馬を見せられると、泣かされますねぇ。


髪にまつわる切実な願いが多い中で、
これはユーモアたっぷりで気に入った。


本殿の脇にずらっと並ぶ立て札には、
毛髪関係の企業や団体の名前があった。


本殿脇には髪塚もある。

髪の毛を奉納すると、髪や体の健康に御利益があるそうだ。
献髪をすると、祈祷後、髪の入った封筒が髪塚に納められる。
これまでにおよそ60万から70万人分もの髪の毛を納めてきたとか。


紅葉の季節は終わりだが、9月に続いて嵯峨野を歩いた。

天竜寺の入り口には、庭園内の紅葉は「なごり」とある。
紅葉が「見頃」ではなく「名残り」とのお知らせは親切だ。


紅葉は見頃を過ぎて名残りだというのに、観光客で一杯だ。
野宮神社では、人を入れないで写真を撮るのが難しい。

この鳥居は黒木鳥居と言って樹皮が付いたままの鳥居だ。
樹皮をはがす前の木材をそのまま使った珍しいものだそうだ。


学問・恋愛成就や子宝安産等の祭神を祀っているので、
「運命の人に会えますように」「幸せな家庭を築きます」
などと、ここでは、ハート形の絵馬にも書かれている。


次には、大河内山荘を訪ねてみた。


時代劇の名優・大河内傳次郎が別荘として造営した庭園。
たくさんの松や桜、楓などが四季を彩るそうだが、
この時期は、名残りの紅葉がまだきれいだった。
「大乗閣」と言われる建物と前庭が美しい。


回遊式借景庭園で、遠くには比叡山も見えている。


茶室「滴水庵」と、前庭の苔が美しい。


大河内山荘は、百人一首で有名な小倉山の南面に当たる場所にあるが、
回遊式の高い場所からは、その小倉山の一部が右端に見えている。


展望所から見える左側には、名残りの紅葉の嵐山が見えている。

さて、名残り惜しいが、このページもこの辺りで終わりとしよう。



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