旧三井家下鴨別邸


旧三井家下鴨別邸は、下鴨神社の南側に位置し、
三井家11家の共有の別邸として建築されたそうだ。
大正14年(1925年)に建築されたのが現在の旧邸。

その後、昭和24年(1949年)には国に譲渡され、
昭和26年(1951年)から平成19年までは、
京都家庭裁判所の所長宿舎として使用されたとか。


下鴨神社の鳥居のすぐ側に旧三井家下鴨別邸の入り口がある。

いつもは、2階と3階は非公開で見ることはできないが、
期間限定で開催する特別公開ということで、出かけた。


主屋と、左側は玄関棟。


右端の大木は一体何だという感じで入っているが、
大木を入れようとすると、建物の下部が切れてしまう。


ここまで下がると、やっと全体が撮れた。
なお、大木は「ムクノキ」のようだ。


主屋は南側の庭園に面して建ち、庭園と一体になった作り。

池から主屋を望む。主屋の右側は茶室(非公開)。


3階には望楼が設けられ、東山の眺望を楽しめるようになっている。

その3階の望楼からは、大文字山と比叡山が見えた。


大文字山。 山肌に「大」の字がうっすらと見える。


比叡山。 山頂のアンテナなどがうっすら、とも見えない。


広くはない望楼の中で少し引けば、2つの山が1枚に入った。


この望楼には雨戸もあるということで、出して見せてもらった。
我が家の雨戸は、左や右の戸袋にそのままで収納するが、
最近の新しい家では、折りたたんで収納するようで、
上部に小さな収納場所を作れば良いだけで便利になった。

さて、ここの木製の雨戸は、下の戸袋から出てきた。
周囲の景観を楽しむことを目的としていることから、
周囲の4面全てが窓になっていて、壁がない。
眺めの邪魔にならないように雨戸を取り付けるには、
下部の外側に戸袋を作り、2枚の雨戸を収納して、
使用する時は、引き上げているのである。


1階から庭を眺める。


2階から庭を眺める。


2階からの眺め、左の屋根は茶室の建物。


最後の話題にふさわしいかどうか分からないが…。

座敷、居室、茶の間、浴室や水屋なども見物できたが、
これは、大正時代に作られた腰掛タイプの珍しい洋式トイレ。
全体を覆う蓋の下に、腰掛けるための蓋がある洋式スタイルで、
水洗用のタンクが掛かっていたようで、水洗でも使ったのか。

なお、「このお手洗いは使用しないで下さい」の注意書きは必要かなぁ。




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