極楽寺・安楽寺・monk



極楽寺と言うと馴染みがないかもしれないが、真如堂のことである。
正式名は「鈴聲山 真正極楽寺」と言い、通称が「真如堂」である。

比叡山延暦寺を本山とする天台宗の寺で、極楽寺と言う寺は他にもあるが、
こここそが正真正銘の極楽の寺であるという意味の真正極楽寺だそうだ。


紅葉の頃は観光客で一杯になる真如堂だが、
この時期は人も少ないし、新緑がきれいだ。


本堂の手前には菩提樹の大木があり、花が咲く手前だった。


涅槃の庭

北(向かって左)を頭に、お釈迦さまが入寂され(お亡くなりになり)、
周りを弟子たちが囲んで嘆き悲しんでいる様子を表現しているとか。
借景は大文字山。 写りが悪いが、後ろにうっすらと見えている。


隨縁の庭。

隨縁とは、事象が縁に因って様々な現れ方をすることを言うそうだ。
背後の仏堂の蟇股に付けられた三井家家紋の四つ目に因んでデザインされた。

ちなみに、蟇股(かえるまた)とは、梁(はり)や桁(けた)の上に置かれて、
上の荷重を支えるために下側が広い山形をした部材のことを言うそうだ。
そのシルエットが蛙の股のように見えることから「蟇股」と呼ばれるとか。


「三重塔」と「なんじゃもんじゃの木」。
何も関係はないが、縦長写真つながりで。
なんじゃ、そりゃ。


さて、「極楽寺」の次は「安楽寺」です。
住蓮山安楽寺は、左京区鹿ヶ谷にある。

山門前の石柱には、「浄土礼讃根元地」と刻まれている。
安楽寺の名前は、表側の道路からは裏側に刻まれている。


この寺は、浄土宗の開祖・法然上人の弟子である住蓮上人と安楽上人の開基で、
両上人が称える礼讃は素晴らしく、両上人の前で出家して仏門に入る者もあり、
その中に、後鳥羽上皇の女官であった松虫姫と鈴虫姫がおられたことから、
通称は「松虫鈴虫寺」(まつむしすずむしでら)とも言われている。


安楽寺の境内にある「くさの地蔵」。
毎月2日に、くさの地蔵縁日が開かれる。

おもしろいと思ったのは、狛犬ならぬ狛カボチャ。


安楽寺では、毎年7月25日に「鹿ケ谷カボチャ供養」が催される。
中風にならないようにと願い、当日は鹿ヶ谷カボチャを食べる。
鹿ケ谷カボチャを煮炊きしたものが参拝者に振る舞われるのだ。



桜の季節には観光客で大混雑の哲学の道も(こちら)、
この季節には、散策するのにも快適な雰囲気だ。


最後は、「monk」(修道士)です。
「極楽寺」「安楽寺」と来れば次は「修道院」かと?
違うんです、修道院ではなくレストランの名前です。
哲学の道沿いにある、小さな小さなレストランです。


スペインから窯を持ち帰って、レストランを開いたとか。
調理するのは、この窯で薪の火を使ったシンプルな料理。
大原などの畑や山、市場を回り、その日仕入れた旬の食材を、
この窯で焼いたり、炙ったり、必要以上には味付けをせず、
メニューは、その日に入った食材によるお任せコースです。


手前が店長さん。
「monk」って、どう意味で店名にしたのか尋ねると、
(頭を暗示して)風袋がそれらしいからだとか。


カウンター席からは、調理されている様子を見られるし、
窯の火を見ながらお酒を飲みながら食事できるのも良い。


メインはピザだが、これは最初に出たおつまみのピザ(2人分)。


カラスエンドウしかも実がついたままのを飾ってあるのも自然派。


リゾットも、上に載せてあった生ノリもおいしかった。


季節のタケノコを焼いた一皿もおいしかったが、
これは、いろいろな野菜を焼いて、塩味だけ。
漬物しか思い浮かばない日野菜もあった。
レタスまで丸ごと切って焼いてあった。


ピザは、好みの2種類の食材を選んで焼いてもらえる(2人分)。

もちろん、肉料理だって魚料理だってあった。
この日の魚はボタンエビで、肉は地鶏だった。
それらもすべてこの窯で薪の火で焼いた料理。

極楽寺と安楽寺に近い場所とネットで探した店だが、
料理は勿論、店の雰囲気も気に入って、極楽極楽。



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