嵐山モンキーパーク


寒いこの季節はネタ切れで、話題を探して、野生の猿に会いに行ってきた。
観光客に大人気の嵐山に「嵐山モンキーパークいわたやま」というのがあることは
あまり知られていないのではないかと思われる。というか、私が知らなかったのだ。


渡月橋の西側に「櫟谷宗像神社」と「嵐山モンキーパーク」の案内が並んである。


この櫟谷宗像神社の社務所の脇に「モンキーパーク入り口」がある。


入り口からおサルが集まる広場までは約20分程の道のりで、
最初に120段の階段があり、いきなりで少しきつい登りだ。

「食べ物を見せたり、やらない」「近くで見つめない」「触らない」
などの注意書きがあるが、まだこの辺りではおサルは出てこない。

なお、あちこちでおサルを見るための注意点が書かれている。
食べ物を見せたり与えると、人に飛びつく癖がついてしまう、
近くで目を見つめると、猿に対して威嚇している意味になる、
触ると、野生の猿なので嫌がって怒ることもあるから、と、
その意味するところも書かれていて、なるほどと納得できた。


階段が終わると、なだらかな上り坂で、道は整備されているので、
冬景色を見ながら、思わぬことで森林ハイキングも楽しめた。


山頂の広場に着くと、いきなりたくさんのおサルさんが出てきた。
現在約120頭のニホンザルが野生の状態で暮らしているそうだ。

写真を撮る時の注意として「2m以上離れ、しゃがみ込んで撮らない」
とあったので、その通りにマナーを守って撮っていたら、係りの人が
「もっと前に出てしゃがんで撮って良いですよ」と言って下さった。
自分が側で見ているから、怒られるから悪さはできないんですよ、と。
なるほど。猿もマナーの悪いことをすると怒られると学習しているのだ。

山頂の広場には柵も檻もなく、サルが自由自在に動いているが、
人間も上記注意点を守っているからか、サルのマナーも良かった。

この嵐山モンキーパークいわたやまは、京都大学の研究のために
1954年から野生のニホンザルが餌付けされたのが始まりとか。


標高はわずか160mだが、サルも居る山頂広場からは、
京都市内を一望できて、比叡山や京都タワーまで見えた。
大文字山も見えたが「大」の文字は良く見えなかった。


あれぇー、このサルたち、一体何を見ているんでしょう?
こちらが外で、見ている中は檻の中のようなんですけど?


実は、檻の中ではなくて休憩所で、中には人間が居る。
おサルさんが外、人間がフェンスの中という逆転の状況。


広場では勝手に餌をやっては駄目で、この休憩所でだけ、
金網越しではあるが、手渡しで猿に餌をやることができる。
行儀良く餌を取るので、手が傷つくということもない。


ちょっと餌をやるのに時間をかけてじらすようにすると、
小さな金網の穴から必死に手を伸ばして餌を要求する。


小さな子供が居ても、自分が取ったエサは自分で食べていた。


山頂にあるこの休憩所では、1袋100円で餌を売っていて、
餌やりをできるのはこの餌だけで、餌の持ち込みはできない。
餌は、リンゴ・落花生・バナナなどがあるようだ。


金網に張り付いて餌をもらったサルたちは、
落花生は皮をむいて食べる時にこぼすのか、
地面に落ちた餌にも集まっているサルたち。


広場では、飼育係の人が餌を撒く餌やりタイムがある。
大きな声で呼ぶと、たくさんのサルが広場に集まってくる。

ここで、思わぬことに、期待以上のハプニングが起こった。
女性の係の人が転んで、バケツの中の餌がばらまかれたのだ。
思うに、少しずつ撒く予定だったのが一度に撒いてしまった。

うゎーと一度にたくさんのサルが集まってきたのは言うまでもない。
後で、その女性職員の人に「わざと転んだのですか?」と尋ねた。
彼女は「そうです。わざと、わざとです。」と、きまり悪げに答えた。
でも、あれが一番良かったですよ!と喜んだことを伝えておいた。


餌には、サツマイモとクリを与えているようだ。
職員の人に聞くと、丹波栗だと言われるので、
「えぇーっ、上等な丹波栗ですか?!」と言うと、
商品にならない傷物を餌用にもらっているのだとか。


人間がサルを見ているんだか、
サルが人間を見ているんだか。


どこの世界でも、小さな子供の自由な動きは可愛い。


2頭の子供を連れた母親、
のようだが、そうではないらしい。
自分の子供は1頭だけだそうだ。


秋から冬にかけては繁殖期で、雄と雌のカップルで、
あるいは親子で、あちこちで毛づくろいをしていた。

小屋の屋根の上ですら、また、山の斜面ではドヒャっと腹を見せて、
敵が居ないから、こんな姿で毛づくろいをしてもらえるのだろうか。


2頭のサルに毛づくろいをさせている恍惚のおサルさん。


通り道には「おサルが道にいて通りにくい時は、
おサルの方を見ないで通って下さい」とあり、
おサルと目を合わさないで、横を通り抜けた。

皆さんにも、たくさんのおサルさんを見ていただきましたが、
ネット上ではいくら見ても大丈夫ですから、安心してお帰り下さい。



戻る   目次へ