奈良公園の鹿は今



かつて、中国から大勢の観光客が来るようになった最初の頃に、
中国人は、シカと一緒に記念写真を撮りたいためと思われるが、
鹿せんべいを見せるだけですぐには与えずに、じらせるために、
シカが怒って噛みついたりする事故が起こるようになった、
との新聞やテレビのニュースをよく憶えている。

さて、新型コロナウィルスの影響で観光客が激減して、
奈良公園のシカはどうしているかと気になっていた。

やっぱり、「鹿せんべいをもらえないシカが飢えている」
との誤った情報がインターネット上で広がったようで、
スナック菓子やパンやお弁当の中身などを与える人が増えたそうだ。
「餌を買って与えて」「シカがかわいそう」との電話も相次いだとか。

しかし、野生シカの主食は草や木の実で、本来は餌は与えないそうだ。
米ぬかと小麦粉が原料の鹿せんべいは、おやつにすぎないので、
鹿せんべいがもらえなくても飢えているということはないそうだ。

鹿せんべい以外の物を与えることは公園のルールで禁止されており、
シカの健康被害も懸念され、奈良県などは対策に乗り出したようだ。


確かに、あちこちに、このような注意書きが。


鹿せんべいをもらえる観光客には、シカがたくさん集まっている。


このおじさん、鹿せんべいをくれるのかなぁ。


やっぱり、駄目だ、こりゃ。


鹿せんべいを売っているおばさんに人気があるのではなく、
鹿せんべいを買う観光客が居なければ、シカもまばらだ。


これがその証拠写真で、行きに通った時には賑わっていたのに、
せんべい売りのおばさんも観光客も居なければ、シカも居ない。


社会学習中の子供達がたくさん集まっていたので、
鹿せんべいをもらえるかと期待して寄って行ったら、
大勢の子供達には、頭や体を撫でられただけだ・・。


お店の人に鹿せんべいをおねだりに行ってるのかと思ったら、
帰りによく見ると、店の軒下から涼しい風が噴き出していた。
ミストに当たって涼みに来ていたのだ。 かしこい!


横断歩道を行儀よく渡っているかと思いきや、
信号は赤で(写真左上)、車を停めている。


こちらは、横断歩道も赤信号(真ん中辺り)もお構いなく。


横断歩道を渡っているから許せと言わんばかりだが、
立派な角を持ったシカも、赤信号で渡るのはいただけない。

良い子は真似をしないように・・ね。


おっと、別の場所でも赤信号(左上)で渡っているシカが居た。
もしかして、シカどもは赤信号で渡ると誤解しているのかも?


いえ、このお二人さん(右下)は青信号(左)で横断歩道を渡っていた。
やれやれ、やっとこれで人間も安心して渡れます。


赤信号で渡るシカがたくさん居ることから、
車道の中央分離帯には、やはりこんな注意看板が!


これこれ、そこのお二人さん、いくら車が止まってくれるからって、
車が行き交っている中央分離帯を横切るなんて、危ないってば。


観光客が減って、静かな今をくつろいでいるのか、
鹿せんべいをもらえなくて、ふて寝しているのか、
でも、車の騒音と排気ガスの中では休めないのでは?


一人ぼっちの後ろ姿にも、広い芝生のグループにも、
緑の中で静かにくつろぐ姿には癒されますねぇ。


最後はやはり、仲の良い親子の姿でしょうか。


仲の良い親子でなくても、仲の良い中学生らしい少女達には、
鹿せんべいをもらえないのに、寄って行きたくなるシカ達。

「Mizuの部屋」へも寄ってきてもらって、ありがとう。



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