龍安寺のスイレン



「龍安寺」と言えば「石庭」で、石庭を見に出かける人がほとんどだ。
が、今回は龍安寺で咲いているスイレンを見るのを目的に出かけた。


国指定の名勝である「鏡容池(きょうようち)」では、
スイレンの葉と花(見えない)が池一面に浮かんでいる。


ただし、ここのスイレンは、近くで見ることができないので、
意識して望遠ズームで撮らないで普通に撮っていると、
写真を大きくしても、花はこの程度にしか見えない。


話題が少ないので、水分石(みくまりいし)も入れてみた。
これは、池の水かさを測るのに使われていた石とのこと。
「みくまりいし」だなんて説明が無ければとても読めない。

貴族の私有地になる前の鏡容池は灌漑用のため池だったそうで、
当時は、石のような原始的なものを使って水を管理していたとか。


池の周りは、このように緑の林のような中を散策できる。


「龍安寺」と言えば「石庭」なので、やはり石庭へ入りましょう。


有名なこの石庭は、大小15個の石が配された枯山水の庭で、
15個の石は、1個は隠れて見えないように置かれているそうだ。
1個の石が隠れていることから「虎の子渡し」とも呼ばれている。

それは、虎が子を連れて川を渡る時には必ずその子を隠すことから、
隠れた石を虎の子に見立てたからだとか。

それというのも、中国の故事に因んだ話で、虎が3匹の子を生むと、
その中には彪(ヒョウ)と呼ばれる性質が荒く乱暴な1匹が居て、
親が居ないと他の2匹を食べてしまうからということだ。
川を渡る時には、子を彪と2匹だけにしないよう、
先ず最初に彪の子を渡し、次いで1匹の子を渡し、彪の子を連れ戻す。
次に、残っていた子を渡し、最後に彪の子を渡した、ということだそうだ。

なるほど。 しかし、彪とはいえ我が子には違いないのだろうに、
母虎の心配や苦労やいかばかりかと共感したところで終わりです。


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