鎌掛谷ホンシャクナゲ群落


日毎に暖かくなってきていたこの時期には珍しく、
この日は寒くて、北海道では雪が積もったとか。

滋賀県日野町の鎌掛谷ホンシャクナゲを見てきた。
見頃の時期は4月下旬から5月上旬と短かくて、
天気の良い日を考慮すると、行ける日は限られる。


高い山に自生するホンシャクナゲだが、
標高350m前後の低い山に群生するのは非常に珍しく、
シャクナゲ群落として国の天然記念物に指定されている。


鎌掛谷(かいがけだに)渓谷の山肌に2万本ものホンシャクナゲ!が、
ということだったが、川の対岸には、遠目に確かに、群生はしていた。


しかし、正直なところ、これだけ?という感想だった。
そこで尋ねましたよ。 案内係りの人の話によると、
一昨年(2014年)は、たくさんの花が咲いたが、
去年(2015年)は、花は咲かなかったそうだ。
2016年の今年は、咲いたが少々少な目だとか。

その上、周りの木が茂ってきて、見えにくくなっているとか。
自然の中で咲いている花のこととて、仕方ないということか。


渓谷に沿って遊歩道があり、右がAコース、左がBコース。
「Bコースは登り降りが少しきつくなります」とあった。
右のAコースの下が川で、左のBコースは山を登るので、
シャクナゲはもっと見えなくなるのではないかと、
下の川沿いを行くことにした。これが正解だった。


歩く場所で咲いていた花は近くで撮れた。


蕾の頃の濃いピンク色から薄いピンク色へと変わる。
花は、約5センチの漏斗形で、浅く7裂している。


葉の裏面を下から覗いて見ると、色は薄い褐色で、
軟らかい毛が、少ないながらも一面に生えていた。
ホンシャクナゲの基本種のツクシシャクナゲの葉の裏は、
赤褐色のビロード状の毛が厚く密に生えているそうで、
ツクシシャクナゲの変種であるホンシャクナゲの特徴とか。


シャクナゲに負けじと、新緑もきれいだった。


渓谷にかかっている丸太の橋は風情があって良い。
低い橋には手すりもないが、高い橋には手すりがある。


これは、風情があるというよりは異なげな光景。
左は、キノコ?にびっしりとまとわりつかれた木と、
右は、自ら奇妙な形になってしまったクヌギの木。


カーネーションのような「カーネーションツバキ」。


カーネーションツバキとホンシャクナゲの競演。


帰り道の途中で、「藤の寺」と言われる正法寺へ寄った。
紅葉の季節かと見まがうような赤いモミジの木。


「藤の寺」と言われるだけに、藤棚の藤の花が見事だった。
この藤は、樹齢320年を越えるそうで、青空に映えていた。


昔懐かしい古びた近江鉄道の「日野駅」。
ホンシャクナゲの季節だけ、ゴールデンウィークだけ、
しゃくなげ渓谷への臨時バスがこの日野駅から出ている。

日野といえば、日野菜の漬物を思い受べるだろうか。
そう、ここは、日野菜発祥の地でもある。

しかし、しかし、実を言うと、
臨時バスが出る初日に出かけたのに、
ホンシャクナゲは、見頃からは少し遅く、
藤の花は、見頃には少しばかり早くて、
季節ではない日野菜漬は買えなかった。

それでも、ページに書けたので、ま、良しとしよう。



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