暮れの正伝寺


新型コロナウィルスの感染拡大は収束するどころか、
ますますひどくなり、未だに近場しか歩けない。
Go To トラベルとやらで旅行に行く気にはなれない。

京都に住んでいても、西賀茂の辺りはあまり歩かないので、
この日は、洛北の西賀茂にある正伝寺にお参りした。
この日出会った参拝者は、我々夫婦の他に1人だけ。


正伝寺は、鎌倉時代に創建された臨済宗南禅寺派の寺。


木立の中を歩いて行く。


山門をくぐる。
「重要文化財 正伝寺」の案内板が。


更にまだ木立の中を登って行く。


残り紅葉の中に本堂が見えてきた。


重要文化財に指定されている本堂(方丈)の広縁の天井。
何やら模様があるようにも見えるが、これは「血天井」。

関ヶ原の戦いの直前伏見城に立てこもった鳥居元忠らが
伏見城落城の際に自刃した血痕が残った廊下の板を
本堂(方丈)の広縁の天井に使用したものだそうだ。


いきなり、血染めの天井の写真になったので、
美しい借景庭園で気持ちを切りかえましょう。

岩を用いず、白砂とサツキの刈込を配した枯山水で、
白壁越しに比叡山が見えている借景式庭園である。

石ではなくてサツキの刈込によって七五三調を表現している。
配置された3つのサツキの刈り込みで構成されている。


これは、右端の7つのサツキの刈込。


真ん中の5つのサツキの刈込。


左端の3つのサツキの刈込。


なお、中国杭州西湖の風景が描かれた襖絵は狩野山楽の筆になる。
が、本堂内部の写真撮影は禁止されているので、写真は無い。


これは紅葉ではなく、何と背高のナンテン。
本殿前で、たくさんの赤い実をつけていた。


塀の向こうの正面が方丈(本殿)。 右は鐘楼。


最後にふさわしいかどうか? お墓も比叡山を借景です。



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