サントリー山崎蒸留所


NHK朝の連続ドラマ「マッサン」も終わりに近づいた頃になって、
京都にあるサントリーの山崎蒸留所へ工場見学に行ってきた。
ドラマの後半は当然ながら北海道の余市に舞台が移ったので、
本当は余市のニッカウィスキーの工場へも行きたかったのだが。


山崎蒸溜所は日本初のウイスキー蒸溜所として90年の歴史をもつ。
山崎は、桂川・宇治川・木津川の三つの川が合流する場所にあり、
霧が発生しやすく、ウイスキー作りにとって大事な名水に恵まれ、
ウイスキーの熟成に適した気候風土であったことが重要だった。


この名水と二条大麦を原料としたモルトウィスキーの原酒を作る現場を見た。
蒸留所内では、工程が進むにつれウィスキーの香りに近づいていくのが分る。


最初は、仕込み工程の仕込槽。


山崎蒸溜所では、発酵の時に使う発酵槽はステンレス槽と木桶槽を使用している。
温度管理や手入れが難しい木桶槽を使うのは、異なる香味の原酒を作るためとか。
この木桶発酵槽を間近で見ることができた。


蒸溜室には、大小さまざまな形の銅製のポットスチル(蒸留釜)が並んでいる。
いろいろ形も違い加熱の方法も違うポットスチルを使い分けることによって、
ライトなものからヘビーなものまでタイプの異なる原酒を作り分けている。
向かい合って並んでいるポットスチルの間を通って、間近で見ることができた。


ここを歩いた時に実際に蒸溜が行なわれていて、ポットスチルの熱気を間近に感じた。
ポットスチルの中には蒸溜原液が入っていて、下から熱を加えると蒸気が上に上がる。
丁度、液体がグラグラと沸騰して上に上がっている様子が小窓から見えた。


貯蔵庫内には実にたくさんの樽が並んでいた。
たくさんの樽が静かに熟成の時を待っていた。

ちなみに、樽はいくつあるのか?と後で尋ねたら、
「はっきりとは言えないが何十万という数」とのこと。
はっきり言ってもらえないのは、企業秘密なのか??

樽の鏡板には樽に詰めた年号が記載されている。
私の生まれた年の樽を探したが見つからなかった。


山崎蒸留所最古の1924年(大正13年)原酒の熟成樽。
山崎蒸溜所で生まれた我が国初のモルトウィスキー原酒の熟成樽。

「1924」と「No.0001」の数字が読み取れる。
上の樽には「1924」と「No.0003」が読める。


原酒は、樽の中で眠っている間に木の成分が溶け出し、
ウイスキー特有の琥珀色や多彩な香味が生まれる。

5種類の木材の樽が並べられていたが、
写真真ん中は北海道産のミズナラで作られた樽。


これは、年月が経つと、色も赤黒くなり、量も減ってくる、
ということを分り易く、樽の中を見せてくれている。


さて、モルトウィスキーの原酒を作る現場を見学した後は、
ゲストルームでシングルモルトウイスキー「山崎」を試飲した。


棚にずらっーと並んだサンプルの原酒の数々。
実にいろいろな色があるのが分る。

さて、順番が逆で先に戻るがこの日の始まりを記録しておこう。


この日はアルコールを飲むので電車で行った。
JR山崎駅あるいは阪急大山崎駅から徒歩約10分。
駅からの道すがら案内の紙が貼ってあった。
が、山崎蒸留所まで「700m」というのは分るが、
「550m」とは、細かいなぁと笑ってしまった。


あ、あそこが山崎蒸留所だ。線路からあんな近い所にある。
と、写真を撮っている間に警報が鳴り遮断機が下りてしまった。

ところで、サントリー山崎蒸留所の工場見学ガイドツアーは2名以上で催行となっている。
以前、三田でキリンビールの工場見学へ行ったことがある(こちらをぜひ読んで下さい)。
その中で、毎日無料のビールを飲みに通っている常連さんのことを書いているが、
1名では駄目というのは、もしかして、あのような常連さんを防ぐためだろうか?

「 これだけサービスしてもまだ注文つけるおばさんもいて、
 ( しかもこのおばさん、普段は他社のビールを飲んでいる )
キリンビールさんも大変です。 」
と、あの中でおばさんのことも書いているが、
 ( あの時のおばさんというのはMizuのこと )
実は、私、ウィスキーは好きではないんです。

工場見学に来て無料のウィスキーを飲んで行き、
ウィスキーは好きではない、などと書かれて、
サントリーさんも大変です。

ニッカさん、このおばさん、余市の工場見学にもいつか行くかもしれませんよ。



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