東京の休日(2)


春休みに長男一家と、去年見た東京スカイツリーへ今年は上がろうと思った。
1ヶ月以上も前にネットでスカイツリーチケットを買おうと見てみて驚いた。
2ヶ月前から売り出していて、すでに希望の日のチケットは買えなかった。
開業から日が経っているから大丈夫かと思ったのは考えが甘かった。
春休みということで、まだまだチケット購入は難しいと思い知った。
「スカイツリーを見に行こう」と募集する旅行社などが買い占めるのだろうか。

それならと、「やけくそで東京タワーへ上がってきました」と書こうかと、
そのように書くためだけに東京タワーへ行く予定で東京へと向かった。
が、孫が「東京タワーへは行きたくない。早くおじちゃんの家へ行きたい」
と言うので、東京タワーは諦め、何はともあれ次男の家へ行くことにした。

次男の家でしばらく遊んでから一緒にホテルへ行って夕食を共にする予定だった。
孫は、おじちゃんの家へ行きたいと言ったが、本当はホテルへ早く行きたいのだ。
去年はディズニーランドへ行ったので、今年はディズニーシーで遊ぶことに。、
何故ホテルへ早く行きたいかと言うと、これには大きな訳があるのです。
泊まったホテルは「ヒルトン東京ベイ」で、部屋は「ハッピーマジックルーム」。
この部屋のことをとても楽しみにしていたので早く行きたかったのです。


天井や壁面には青い空に白い雲、緑の木々が描かれている。
ドアにも絨毯にも楽しい動物たちが居てこちらを見つめている。


ベッドボードやカウンターには白木を使い、魔法使いや動物達の表情も楽しい。

部屋全体が魔法の森の不思議を体験できる楽しい部屋になっている。
触ったり、動かしたりして、遊びの要素がたっぷり詰まっ ている。


「カギを差し込んでみると何かが起こる?!」
壁に描かれた絵の中で左のカギをクローバーの穴へ差し込むと…、
緑色が点灯して、楽しい曲が流れる仕掛けになっている。


「本棚にも秘密が…」
一番下の段の両端の本を取り出そうとすると、
背表紙が外れて、別の背表紙が出てくる仕掛けだ。


「魔法の鏡から顔を出すのは誰?」
ボタンを押すと音楽が流れて、中から「ティアラ」が現れる。
ティアラからはお手紙が届いていて、「魔女になる勉強をしているが、
勉強ばかりしているから友達がいない、友達になってほしい、
鏡の中で待っているわ。」というようなことが書かれていた。


エレベーターホールの木の幹には森の仲間たちが隠れていて、
穴から中を覗くと、ユニコーンなどが迎えてくれた。


さて、東京の休日の2日目はディズニーシーへ。
チケットはあらかじめネットで買っておいたのだが、
希望イベントのファストパスを手に入れるために朝早くから出かけた。
並ばなくても時間指定で入れるファストパスというのはありがたいが、
その他のイベントは、とにかくどこでも並んで入ることになる。
ここで威力を発揮したのが息子夫婦が持っているスマホだ。
その時どこが待ち時間が少ないかを調べてそこへ急行する。


建物の外も中もともかく派手で愉快な世界である。


どこで何時からパレードがあるかなどの情報も仕入れなければならない。
我が夫婦は目が見えないから携帯も電話機能だけしか使っていない。
さすが、こういう時には文明の利器が効果を発揮する。


ディズニーランドでもディズニーシーでも、被り物をした若者が多い。
我が孫もお嫁さんも負けじと何やら喜んで被っていたが…。

去年行ったディズニーランドでは、午後から雨風が強くなって、
最後のパレードや花火を見ることなく早目にホテルへ引き上げた。
が、今年は幸か不幸か、一日中お天気が良くて、
夜の水上でのパレードまで見てしまったので、
大人はみんな疲れてしまった。約1人を除いて…。
朝早くから夜遅くまで長い一日がやっと終わった。


東京の休日の最後の日は去年と同じで今年も恐竜に会いに科学博物館へ。
上野公園では、去年は「4月1日現在、桜はまだ全然咲いてなかった」
と書いているが、今年は3月30日ですでに散っているとのニュースにも、
この通り、まだたくさんの桜が咲き残っていた。

咲き急ぐ花、散り急ぐ花、遅れてゆっくり咲く花、人にもいろいろあるが、
終わりに近づいている我々年寄り世代、今まさにこの世の花の息子世代、
この先どんな人生が待っているのか、これから育っていく孫世代、
ともかくも、3世代が同じ空気の中で楽しんだ東京の休日だった。



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