未年の宇治平等院


大雪で明けた今年の正月は、12日も朝から小雪が舞っていた。
わざわざこんな日に出かけなくても良いだろうにと躊躇したが、
京都府の南部に位置する宇治市の天気予報は悪くなかったので、
思いきって出かけたら、やはり宇治市では雪の気配もなかった。


平成24年(2012年)9月から平成26年(2014年)3月まで行われていた
屋根の葺き替えや柱などの塗り直し修理が終了し、色鮮やかな外観に変貌した。
その後も続いていた修理工事が完了し平成26年10月1日に落成式が行われた。
直後は混雑しているだろうと避けて、新しい年になったこの日に出かけたのだが、
鳳凰堂内部の拝観は待ち時間1時間半ということで、この日は拝観を諦めた。

鳳凰堂内にある本尊阿弥陀如来坐像は見られなくて残念だったが、
鳳凰堂内の壁に懸け並べられている52体の雲中供養菩薩像の内、
楽を奏でる菩薩と踊る菩薩26体は創建当時の本物を鳳翔館で見られた。

鳳翔館は、平等院に伝わる宝物類を保存、展示するための博物館で、
鳳翔館内部は撮影禁止だったので、残念ながら写真はない。


少し角度を変えて撮るとまた違った美しさに見える。


こんな角度から見るのもなかなか良い。


上の写真5枚には州浜の全体が写っているが小さいので、大きくしてみると、
鳳凰堂の前面には小石が敷き詰められた州浜が復元されていることが分る。


鳳凰堂の屋根には左右一対の鳳凰が黄金色に輝いていた。
しかし、この鳳凰も下の梵鐘も創建当時の本物は鳳翔館に展示されている。
鳳翔館は、拝観順路の中に組み込まれているので自由に見ることができる。


この梵鐘は昭和47年に復元された2代目だそうだ。

なお、鳳翔館は、世界遺産、国宝である平等院の景観に配慮して、
地下に配置されているので、鳳凰堂の隣にあるのに目立たない。
が、展示されている物の数々はなかなかに見ごたえがあった。


平等院への表参道に入る前の宇治川に架かる宇治橋縁には紫式部像がある。
源氏物語「夢の浮橋」など「宇治十帖」は宇治が舞台になっているからだ。

宇治の話題は、以前に「宇治のお茶懐石」を載せている(こちら)。


ついでながら、道路を跨いで建っているこの鳥居はどちらの神社の鳥居やら?
鳥居には「縣神社参道」と書かれていて、縣神社の祭りは奇祭で有名だが、
縣神社へは行ったことがなかったので行ってみることにした。

写真には写ってないが、この鳥居の道路の左側が平等院へと続く表参道。


鳥居があるのだからすぐに神社があるだろうと歩き始めたのだが、
行けども行けども神社の姿はない。諦めて引き返そうとした時に、
ありました、ありました、縣(あがた)神社です。

毎年6月5日から6日にかけて行われる縣祭り(あがたまつり)が有名で、
6月5日の深夜、明かりのない暗闇の中で町内の男性が梵天と呼ばれる神輿を担ぐ。
神輿が通過する間は側の家々も明かりを消して、「暗闇の奇祭」と呼ばれているとか。


さて、宇治は宇治茶の里でもあり、さすが大きな茶壷。
JR宇治駅前にありました。
でも、この茶壷の中には茶葉が入っているのではなく、紙が…。

と、茶壷のポストの写真で終わりたいところですが、
題名を「未年の宇治平等院」としたので、羊が出ないと終われません。


宇治平等院の表参道に岩井製菓の「憩和井(いわい)」という店があり、
手作業で作った干支のヒツジをかたどった開運干支あめを売っている。
岩井製菓では、開運を願って荒見神社で祈祷されている飴だそうだ。

Mizuの干支は未年なので、この飴を買って帰った。
おみくじ付で、今年は何か良いことがあるかなあ。

しかし、家族へ配った6個のどれも大吉だった。
もしかして、全部大吉が入っているのか?
という疑問を持ってネットで調べてみた。

「大吉・吉・中吉」の4種類で、縁起の悪い「凶」や「大凶」は入ってない、
とあり、6個全部が大吉だったのは、やっぱり良いことがある、のだ。

と、終わろうと思ったのですが、やっぱりまだ終われません。


鳳凰は1万円札に、鳳凰堂は10円玉に描かれている。

お札と硬貨のおめでたい鳳凰と鳳凰堂が出たところで、やっと終われます。


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