醒ヶ井のバイカモ
キンポウゲ科キンポウゲ属の水草で、冷たい清流でしか育たないそうだ。
梅の花に似た白い小さな花を咲かせるので「梅花藻」の名が付いたとか。
米原市醒ヶ井の旧中山道沿いを流れる地蔵川で咲く梅花藻。
大雨が降ると水かさが増して、花は水中に沈んでしまう。
川の水量が減ると、花が水面から上へ出て見えるのだが、
台風の後も雨続きで、なかなか見に行けなかった。
やっとこれならという日に見に行ってきた。
このような小さな川だが、川一面に緑の梅花藻が水の流れに揺れている。
川岸のサルスベリのピンクの色とも相まって川の緑色が際立っている。
遠くからは白い点にしか見えなくても、
近づくと、小さくて白い可憐な花だと分る。
ピンク色のバイカモがある訳ではありません。
ピンク色のサルスベリの花びらと競いながら、
水の流れに揺れる梅花藻の白い花が可愛い。
醒ヶ井宿資料館前では、こんな風に密集して咲いていた。
さて、醒井養鱒場へも行ってみた話題の前に、
地蔵川沿いに歩いた途中で見た話題のいくつかを。
本尊は雲に乗った飛行観音像の松尾寺政所。
力強い鬼瓦を掲げた重厚な玄関だが、これが何と、
明治時代の醒井尋常高等小学校の玄関を移築したもの。
大正時代に建築された旧醒ヶ井郵便局。
現在は醒ヶ井宿資料館として醒ヶ井宿の歴史などを紹介している。
了徳寺の天然記念物である御葉附銀杏(オハツキイチョウ)。
樹齢約200年だそうで、葉の上に銀杏の実がなるという。
この地域の氏神様である加茂神社。
以前はもっと南にあったそうだが、
名神高速道路建設に伴いこの場所に移された。
「居醒めの清水」の説明板の辺りで、
しきりに水が沸いてきていた。
ヤマトタケルノミコトの熱を醒ました伝説の湧き水。
地蔵川はこの「居醒めの清水」を源流としている。
これがハリヨか?
体長4〜5cmで、体にトゲを持つ淡水魚だそうで、
生息地が岐阜県と滋賀県のごく一部に限られた貴重な魚。
梅花藻は絶滅危惧種のハリヨの産卵場所になっているとか。
屋台のおじさんからハリヨは「居醒めの清水」の辺りに居ると教えてもらい、
知らなければ見過ごしたであろうが、どこかに居ないかと必死で探した。
居た!と興奮して、苦労して写真を撮ったのに、これは違うと思う。
後から、醒井養鱒場で飼育しているハリヨを見せてもらったのだが、
養鱒場のおじさんからは、梅花藻の下に隠れて見えない、と聞いた。
これは、水槽の中で飼育されていたハリヨ。
写りが悪いが、上の魚よりぐっと小さかった。
以上は、JR醒ヶ井駅から地蔵川に沿って東へ歩いた様子だが、
醒井養鱒場へ行くために、JR醒ヶ井駅から南へ行った所でも、
たくさんの梅花藻の花が水の流れに揺れていた。
白く見えているのが花だが、最後の1枚は、
何とも想像をかけたてられる形に集まっていた。
醒井養鱒場。 日本最古の養鱒場。
明治11年に琵琶湖の固有種ビワマスの増殖を目的に設立された。
池で飼育されている過密気味のも、自然の川を泳いでいるのも、
どこでも、びっくりする数のビワマスが飼育されていた。
清流のシンボルであるハリヨは言うに及ばず、その他にも、
幻の魚イトウや古代魚チョウザメなども展示飼育されていた。
この池には、このような案内板がありました。
ただ今、産卵後の静養中です。
産卵後は体力を消耗し、
約50%しか生き残れませんが、
2ヶ月後には元気を回復し、
来年もまた産卵します。
マス一同。
なお、写っている黄色のマスは、アルビノマス。
アルビノと言って黒色の色素が欠落したマスだとか。
さぁ、このページを生んだ私も静養に入りましょう。
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