こんな筆で書初めいかが?
(有馬人形筆)
きれいな筆があります。
日本刺繍に使う細い絹糸を何重にも巻いて、
きれいな模様を筆の柄につけている筆です。
ところが、いざ書こうとして筆を立てると、
筆のお尻から何やら飛び出してきます。
どうも可愛い人形が出てくるようですね。
筆箱に納めようとすると筆の中へ隠れてしまいますが、
筆を持って書いている間はこんな可愛い顔に見つめられます。
きれいな模様の、あっと驚くからくり細工の筆で書けば、
さぞやきれいな文字が書けそうなものですが、
使うのは勿体なくて飾ってあります。
からくりは簡単なようで、針金と糸と重りから成っているそうです。
有馬人形筆は、有馬温泉の土産物としてこの店の店先で売られています。
色とりどりのきれいな筆には実用よりも思わず見とれてしまいます。
舞台裏を店先から眺められるこのような家庭的な雰囲気の中で、
女主人とお嫁さんのお二人の手によってあのようなきれいな筆が仕上がり、
人形が飛び出すというからくりまで作られていることには感動ものです。
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