円山公園のいもぼう
祇園から東山へ八坂神社の階段を上がって少し歩くと、
円山公園内に「いもぼう平野屋本店」がある。
暮れてきた薄明かりの中で撮った写真はそのままではほとんど見えないが、
画像ソフトのレベル補正で色はあせるが何とか見えるようになった。
「いもぼう」とは、海老芋と棒だらを炊き合わせた料理のこと。
京都では、家庭でもお正月料理の一品として作る。
弱火でじっくりとほとんど丸一日時間をかけて煮込むので、
大晦日の忙しい時に、ガスレンジを一つ占領してしまう。
左
はエビの形に似ているところから「海老芋」と名付けられた里芋の一種。
海老のように曲がっており、縞模様が入っている。
右
は水に戻す前の干物の棒だら。
海から遠い京都は新鮮な海の幸に恵まれず、干物の魚が貴重であった。
これを何日もかけて水に戻して使う。
写真をクリックすると大きくなります (ピントがぼけています m(..)m)
いもぼう
あえ物、祇園どうふ
とろろのり巻
とろろ月見
(写真を撮る前に箸をつけて
月が崩れてしまった ^^;)
だし巻玉子
吸物、御飯、香の物
家でお正月用に煮るいもぼうはもっと色が濃くなるが、
ここのいもぼうの芋は色も薄くて実に柔らかく煮てある。
棒だらもやわらかくて、あの干物が変身したとはとても思えない。
薄味の煮汁も一緒にたくさん出てくるのが家で作るのと違う点。
円山公園には有名な大きなしだれ桜がある。
このしだれ桜が暮れかけた薄明かりの中で奇妙に白く見えた。
不思議に思って近づいてみると、太い幹が明らかに白い。
環境悪化の影響を受けて若干樹勢が衰えているとかで、
害虫対策として幹や大枝に消石灰を塗ってあるのだそうだ。
暗い中で浮き上がって見える白い大木はちょっと気味悪かった。
春には見事な花をつけるしだれ桜の冬の間の知られざる寂しげな姿ではある。
いもぼう平野屋本店へは
こちら
をどうぞ。
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