金剛山のニリンソウ



ゴールデンウィークの1日を奈良県と大阪府の境にある金剛山へ登った。
7月に長野県の千畳敷カールから木曾駒ヶ岳(標高2956m)へ登る予定で、
その足慣らしのためにと思ったのだが、金剛山も負けずにきつかった。

メインルート(千早本道)で頂上まで登るだけなら分かり易いが、
ニリンソウを見るためのカトラ谷ルートは、案内板や標識がなく、
道に迷ったというネットの情報もあり、迷った場合に聞けるよう、
ゴールデンウィークで人が多い時を選んだのが正解だった。

「この道はカトラ谷へ行く道か?」と下りてきている人に尋ねたら、
「違う。自分たちも間違えた。少し下を左へ曲がるそうだ。」と。
その人たちも誰かに聞いて引き返してきていたのだ、という風に、
聞ける人が居ない平日だったら、迷ってどうなっていたことやら。

アオキ(雄花)
ミヤマハコベ

ニリンソウだけでなく、最初の頃はいろいろな花を撮った。
なかなかに険しい道だったので、ニリンソウに行き着くまで
花の写真でホッとしながら、歩を進めることにしよう。


すぐに道は険しくなり、左上にロープにつかまりながら登る夫が。


倒木が塞いでいる道を上がる。

ミヤマカタバミ
最初に見た岩肌に咲くニリンソウ

ヤマルリソウ
タチツボスミレ?オオタチツボスミレ?


左側は崖で、両足の幅位しかない細い道を行くと、
倒木が道をふさいでいて、倒木の下をくぐった。

大きなリュックを担いだままでは通り抜けられず、
リュックを手に抱えてくぐっている人も居たが、
我々は小さなリュックだったので、何とか通れた。


左側の梯子はスティックを使いながら上がれたが、
右側の梯子は、鎖につかまりながら上がった。


カトラ谷ルートには分かれ道に案内板や標識もなくて、
岩場で、こんな風に目印が書かれていたのも珍しい。


苔むした岩場にも、ニリンソウが咲いていた!

ネコノメソウ
ツルカノコソウ?

岩場を歩くので、小さい花はもういいやと撮らなくなった。


岩場を行く夫の後ろには、道の両側にニリンソウの集団が。


いよいよニリンソウのお花畑が始まるというその手前では、
写真を撮るために立ち止まり、軽い渋滞?が起こっていたが、
5月4日のこの日、カトラ谷は思った程の混みようでもなかった。




以下は、どちらが主役やらという写真です。


ジロボウエンゴサク?と競う。


大きさでは、エンレイソウの引き立て役か?


ユキザサの蕾には負けてない。


何人もの人がお花から少し距離を置いて、お弁当を食べていた。
そこで我々も、お花を踏まないよう、倒木を椅子代わりにして、
お花畑のニリンソウを眺めながら、お昼のおにぎりを食べた。

さて、ここから頂上までは20分程ということで、頂上を目指した。
下りてきている人に「この道は頂上へ行きますか?」と尋ねたら、
「行きますよ。 しかし、きついですよ。 厳しいですよ。 でもねぇ、
そんな良い思いをしたのだから、きつい思いもしなくては。」と。

そうです、ニリンソウ群落に感激したのだから、頑張らなくっちゃ。


頂上までの道自体は普通の登山道だったが、急な階段がきつかった。

本来の最高地点は葛木岳と言い、葛木神社の本殿の裏にあるそうだが、
神域で立ち入ることができず、国見城跡のこの広場を山頂としているとか。

標識には海抜1125mと書かれているが、頂上まで着いて驚いた。
頂上広場では、びっくりする程大勢の人達でごった返していた。

金剛山の頂上へ登るには、いくつかのルートがあるようで、
メインルートで登れば、カトラ谷ルートよりもっと楽に登れるし、
更にもっと楽に登るには、ロープウェイでも上がれる。
だから、びっくりする程大勢の人達が頂上広場に居たのだ。
しかし、ニリンソウを見るにはカトラ谷ルートを登らなければならない。


転法輪寺では、翌日5日の子供祭りの準備がされていた。
翌日の子供の日はもっと大勢の人で賑わったことだろう。

ニオイタチツボスミレ
チゴユリ


帰りは、整備されているメインルートの千早本道を下りた。
頂上からバス停のある麓までずっと丸太で階段が作られていて、
案内板や標識も設置されていて、カトラ谷ルートとは大違いだった。
補修用の丸太だろうか、道の両側に丸太が積み上げられていた。

これなら歩き易いし、簡単に楽に登れるなぁと思ったが、
いえいえ、たとえ緩くても階段ばかりが続くのもいやだし、
それに何より、変化がなくておもしろくない、楽しくない。
カトラ谷ルートとは違い、楽な道で写真を撮る余裕も出たというのに、
肝心の撮りたい花も咲いていないのだから。


その中で咲いていたコバノミツバツツジで終わろうかと思ったが、
この花の前に、見たような見ないような不思議な花?を撮っていた。


これは何だろう?と適当に撮っていたので、大ボケだが、
まさか、もしかして、ショウジョウバカマだろうか?
でも、少し季節が違うし、それに、何より、背が高すぎる。

調べて分かった。 これは、確かにショウジョウバカマだ。
花が終わった後も、咲いた時の姿を残しているそうで、
夏には緑色の花が咲いている、といった様子になるとか。
「茎は花が終わってもどんどん伸び、50〜60cmにもなり、
まるで別物。」と書かれていた。 なるほど、納得。

なになに、花が終わった後も、咲いた時の姿を残していて、
花が終わってもどんどん伸びて、まるで別物のようになる。
・・・、何やら人間社会に教訓的でもありますなぁ。

ちなみに、下の写真が、ショウジョウバカマの若かりし頃の姿。
(『ネタ旅紀行』の「ショウジョウバカマ咲く里山」(こちら))





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