コウノトリの郷



 

兵庫県豊岡市のコウノトリの郷へ行ってきた。
駐車場へ車を停めて目に入ったのが田んぼの中にいる白い鳥。
あれ?あれはコウノトリではないのか? 目を凝らして見る。


確かに、本当に、田んぼの中にコウノトリが居た!
この田んぼの中にも下の写真の公開ケージの中にも居た白い鳥。


胴体の後ろが黒いのがオスで白ばっかりがメスかと思って、
恥ずかしげもなくコウノトリ文化館の人に尋ねた。
「あれはサギですよ」
サギ?! サギなら知っている! しかししかし、
コウノトリの郷へコウノトリを見に来たのだから、
サギがいるなんてことは全く頭の隅からも消えていて、
白い鳥がいればコウノトリだと思ってしまっても無理はない。

しかし、サギの奴め、騙したな、詐欺にあってしまった。。
しかししかし、“聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥”、
サギをコウノトリのメスだなどと間違って書かなくて良かった。


ちなみに、オスの方がメスよりも若干大きいそうだ。
オスもメスも風切羽が黒く、羽をたたむと後ろの方が黒く見える。

短い時間の中では「飛んだ!」と言える機会は少なく、
カメラを構える間に機会を逃し、飛翔写真はこれだけだが、
風切羽が黒いことが分かるでしょうか。


田んぼの中の人口巣塔の上にもコウノトリが居た!
え、見えませんか? では、少し大きくしてみましょう。


おや、屋根の上にもコウノトリが居た!
え、見えませんか? では、大きくしてみましょう。


別の角度から撮った写真に屋根瓦の瓦紋?が写っていて、
それがなんとコウノトリの模様であることに気が付いた。
この建物は「コウノトリ文化館」なので、そのこだわりか。




屋根の上の三者三様の三羽烏・・ではなく三羽コウノトリ。
4羽止まっていたこともあったが、4羽では横に広がり過ぎる。
もう少し詰めて止まってくれればよいものを…。


公開ケージは、かなり広い面積を金網の柵で囲っていて、
その中へは入れないが、屋根はなく空へ向かって開いているので、
白いサギやアオサギなど鳥類がたくさんやってきていた。


“左向け〜左”と誰かが号令でもかけたのか、
全員同じ方向を向いている姿がおかしかった。

日本の空から消えたコウノトリの最後の生息地が豊岡市だったことから、
もう一度コウノトリを大空に羽ばたかせる事業が豊岡市で始まって久しい。
ここで育ったコウノトリは野性に戻す訓練をして順番に放鳥しているが、
それまでは飛べないように羽を切っているそうだ。

この公開ケージには羽を切ったコウノトリが10羽居るそうだが、
写真を撮ったこの時は16羽のコウノトリが見えた。
中国からでも飛んできたか全くの野生のコウノトリが1羽、
その他は、放鳥したのがここへ戻ってきているそうだ。

 


コウノトリの成鳥は声を出して鳴かないそうだが、
クラッタリングといってクチバシをカタカタと鳴らす。
初めてだが、この時も時々その音を聞いた。





本当は、7月31日に巣立ったヒナを見たかったのだが、
9月17日現在ですでに親鳥と同じ大きさになっているそうで、
たとえそこで見ていてもそれが巣立ったヒナだとは区別がつかない。
巣立ちの時を今か今かとテレビのニュースなどが中継していたのは、
公開ケージのある場所ではなく、少し離れた所にあるこの場所。
人口巣塔はそのまま残っていて、小枝で作っていた巣もそのまま。

“空の巣症候群”という言葉が流行った頃があったが、
空っぽになった巣は郷愁を誘い、確かに寂しげだ。
が、ヒナが巣立った後も餌の取り方を教えなければいけないし、
まだピーピーと餌をねだるヒナに食べさせなければいけないし、
コウノトリの親も大変だなぁと相憐れみの親しみを持った。


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