洞川温泉散策
みたらい渓谷をハイキングした夜は、洞川温泉で泊まった。
修験道(大峯山信仰)の隆盛と共に、登山基地として栄え、
昔懐かしい雰囲気の漂う温泉街を形作っている。
旅館や土産物店、食事処などが軒をつらねている。
役の行者の高弟「後鬼」の子孫の里とも伝えられているとか。
洞川温泉一帯はカルスト地形で、花崗岩と石灰岩の地層から
ミネラル分を適度に含んだおいしい水が湧くそうだ。
その名前が何ともおもしろく、「ごろごろ水」と言う。
泊った旅館からも帰りに、ごろごろ水をお土産にもらった。
紅葉がきれいだと聞いて龍泉寺へ行ってみた。
全国から大峯へ修行に来られる行者たちを迎え、
大峯へとお送りする役目を担っているお寺だ。
お寺と紅葉はよく似合う。
落ち葉も風情があって美しい。
青い空に映える緑の大木の間から垣間見える紅葉と、
イチョウの鮮やかな黄色もきれいで、記録に残そう。
鍾乳洞があるというので、見に行った。
その「面不動鍾乳洞」は高台の地底に広がり、
きつい傾斜のモノレールで上がった所からは、
眼下に、洞川の町並みが一望できる。
天井から垂れ下がる鍾乳石は1センチ伸びるのに約100年かかり、
地表から伸びる筍のような形をした石筍は約200年かかるそうだ。
様々な色でライトアップされていて、幻想的な雰囲気だ。
高台での最後にもう一枚、真っ赤な紅葉を。
下りはモノレールに乗らずに、歩いて下りてみた。
きつい傾斜を上がって行くモノレールが木々の間から見える。
歩くと、このように山に生えている植物を見ることができる。
しかし、この時期、花は少なく、あったのはマムシグサ?
洞川温泉の町並みを歩くと、たくさんのこの看板が目についた。
1軒の店先で、その店のご主人に話を聞いたところでは、
この町だけで「陀羅尼助丸」を売る店が十数軒もあるそうだ。
この町のお店が共同で製造所を運営していて、
すべてのお店は同じ商品を置いているのだが、
それぞれのお店は独自のお得意さんがいるので、
それなりにやっていけるのだと話して下さった。
なお、生薬に使う植物は、大峯山の近辺で採れるそうだ。
ハイ、「だらにすけ」と読む、健胃整腸薬のことです。
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