深泥池から上賀茂神社へ
通常は「みどろがいけ」と言う人も多いが、
「深泥池」と書いて『みぞろがいけ』と読む。
ここに群生しているミツガシワの花が咲いていた。
ミツガシワは、北半球の寒冷地に分布し、湿原や高山に多いそうだ。
が、京都市街地の深泥池のミツガシワは氷河期の生き残りと考えられて、
深泥池生物群集として国の天然記念物に指定されている。
名前の由来は、大きな柏のような葉が3枚集まっているから。
深泥池を代表するものとして浮島があるが、
浮島の下には水の層があり水面に浮いていることを確認できるとか。
浮島は枯れ葉などの植物遺体が分解する時に発生するメタンガスで浮き上がるそうで、
そのメタンガスの発生量は気温に左右されて、夏には多く冬は少ないために、
浮島は夏はより上に浮き上がり、逆に冬は沈んで冠水するとか。
次に、歩いて上賀茂神社まで行ってみた。
この2枚の写真に写っている円錐形に盛った砂にお気付きだろうか。
これは(盛砂とも言うそうだが)「立砂」といって、
神様が最初に降臨されたのが本殿の後ろにある神山で、
神山が美しい円錐形をしていることに因んだものだそうだ。
鬼門に清めのお砂を撒き清めるのはこの立砂の信仰が起原とか。
これが本殿。
茅皮葺屋根が継ぎ接ぎでいやに傷んでいるなぁと思ったら、
1枚2000円で「桧皮奉納のお願い」と書かれていた。なるほど。
4月17日現在まだ紅枝垂れの「斎王桜」が満開だった。
さて、上賀茂神社には賀茂競馬というのがある。
競馬好きのそこの人、「けいば」ではなく「くらべうま」と言います!
1300年の昔から日本に伝わる競馬は、元来は宮中で行われていたとか。
今でも旧社家の人達によって伝承され現在も受け継がれているそうだ。
「馬出しの桜」 スタート地点
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「見返りの桐」 馬上の姿を整える
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「むち打ちの桜」 ここで鞭を打つ
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「勝負の楓」 ここで勝ち負けが決まる
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馬が走るコースにはこのように名付けた木が植えられているのがおもしろい。
5月5日当日はこのコースを馬が走り抜ける。
馬が何頭か繋がれていたので練習でもするのだろうかと思ったら、
やはり練習風景を見せてもらえるようで、練習時間が書かれていた。
近くに乗馬クラブもあるのでこれらの馬はそこの馬ですか?と尋ねたら、
乗馬クラブの馬は本能的に柵を乗り越えたりするので駄目だそうで、
これらの馬は愛知県岡崎市から借りているとか。
ほとんどの馬はおとなしく言うことを聞いて練習していたが、
中には、言うことを聞かないで嫌がっている馬も居た。
人間社会にも居る居る、言うことを聞かない困り者が…。
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