長崎訪問
日本最古の石造アーチ橋。
川面に映る姿から眼鏡のように見える眼鏡橋。
♪長崎は今日も雨だった〜♪ と書きたかったのに、
4日間の長崎滞在中、結局一度も雨は降らなかった。
大体どこへ行ってもどこの街でも自転車を見かける。
ところが、長崎では自転車に乗る人をほとんど見なかった。
その理由がこの坂にあることは、容易に想像できた。
ここは、昔、東洋人以外をオランダさんと呼び、
外国人居留地にあるオランダさんが通る道をオランダ坂と言い、
今でもオランダ坂ではその名残りの美しい石畳の坂道が続く。
山肌に沿ってびっしりと家々が建ち並んでいて、
車かバイクでなければ自転車での行き来は大変だ。
長崎での観光地といえばグラバー園。
グラバー園も小高い丘の上にある。
このグラバー園を訪ねたのはこれで3度目だが、
グラバー邸や長崎港の眺めを見るためには、
これまでは坂道の上り下りが大変だった。
ところが、今回は様変わりしていて驚いた。
園内には動く歩道で移動できる散策ルートができていたし、
斜めに動くエレベーターと垂直エレベーターを乗り継げば、
簡単にグラバー園の最上部まで行けるようになっていた。
車椅子でも行けるようにとのバリアフリーがありがたい。
しかし、ここは観光客がわんさと押しかける場所だからだ。
そうでない所はそうはいかない。
きれいな夜景を見ながら卓袱(しっぽく)料理をいただくべく、
龍馬通りを風頭公園へ抜けて丘の頂上へと歩いて行くことにした。
会食のために歩き用の服装ではなかったので気が進まなかったが、
途中からタクシーを拾っても良いからとの夫の言葉に従った。
しかし、このような階段が果てしなく続くので途中で音を上げた。
「こんな所へどこからタクシーが来てくれると言うのよ」と文句たらたら。
龍馬さんの励ましも「もうじき」「すぐそこ」の励ましも虚しい。
ところが、この階段を毎日上り下りして買い物に行くという
涼しい顔で歩いてきた元気なおばあさんと一緒になった。
この階段の両側の家の人達は毎日階段を上り下りしている。
おばあさんはさすがにゆっくりなので我々は先へ行ったが、
おばあさんでも歩いているのだから負けられないと元気になった。
「龍馬のぶーつ像」というのがあった。
日本で最初にブーツを履いた男が坂本龍馬だそうだ。
下級武士の家に生まれ、身分制度の厳しい土佐では
ぞうりしか履けなかった坂本龍馬は、
自由の地・長崎へ来てブーツを履いて大いに張り切ったとか。
とにもかくにも丘の上まで歩ききって夜景を楽しんだ。
卓袱料理とは、長崎の郷土料理で、6〜7人で円卓を囲み、
大皿に盛られた中国料理・和食・洋食料理が次々と出てくる。
途中で、給仕の人にまだまだ出てくるんですか?と尋ねたら、
まだまだ出てきますとの答えで、お腹が一杯になってしまった。
銀座ならぬ銅座
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かつては川が流れ橋が架かっていた思案橋
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散策用の服装なら午前午後と一日一人で歩き回っても平気だ。
午前中に眼鏡橋や思案橋それからこれは模型で再現したミニ出島。
キリスト教の布教を禁止するために人工的に扇形に造って、
長崎に住んでいたポルトガル人をここに集めた出島を歩き、
午後からはオランダ坂からグラバー園へと一人で精力的に歩いた。
♪長崎は今日も雨だった〜♪ の代わりに、
長崎は今日も異国だった〜 で終わりましょう。
軍艦島と伊王島クルージングへ続く
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