かつて、中国から大勢の観光客が来るようになった最初の頃に、 中国人は、シカと一緒に記念写真を撮りたいためと思われるが、 鹿せんべいを見せるだけですぐには与えずに、じらせるために、 シカが怒って噛みついたりする事故が起こるようになった、 との新聞やテレビのニュースをよく憶えている。 さて、新型コロナウィルスの影響で観光客が激減して、 奈良公園のシカはどうしているかと気になっていた。 やっぱり、「鹿せんべいをもらえないシカが飢えている」 との誤った情報がインターネット上で広がったようで、 スナック菓子やパンやお弁当の中身などを与える人が増えたそうだ。 「餌を買って与えて」「シカがかわいそう」との電話も相次いだとか。 しかし、野生シカの主食は草や木の実で、本来は餌は与えないそうだ。 米ぬかと小麦粉が原料の鹿せんべいは、おやつにすぎないので、 鹿せんべいがもらえなくても飢えているということはないそうだ。 鹿せんべい以外の物を与えることは公園のルールで禁止されており、 シカの健康被害も懸念され、奈良県などは対策に乗り出したようだ。 |