前日に下田で泊って石廊崎を訪ねた後は、再び下田へ戻った。 53年前の新婚旅行の時は下田で泊り、下田から船で伊豆大島へ渡った。 しかし今は、下田から伊豆大島への船は出ておらず、熱海からしか行けない。 (もちろん、東京からも行けるが、それはまた別問題だ。) そこで、熱海でもう1泊する予定で、下田から熱海へ向かった。 石廊崎から下田へは予定より早くに戻れたので、早い切符に買い替えた。 するとそれは「サフィール踊り子号」という全車両グリーン車だった。 こんなところで、思わぬことで、グリーン車に乘ることができた。 |
三原山へ登る前に、地層の大切断面を見に寄ってもらって、 タクシーなので、写真を撮るために停まってもらったりした。 これは、見事な地層の縞模様の大地の年輪である。 伊豆大島は現在も火山活動を続ける火山島で、噴火を繰り返してきた。 長い年月をかけて何層にも降り積もった火山灰などの堆積物が、 地層の美しい縞模様となって現れているのが地層切断面だそうだ。 過去2万年で約100回噴火した歴史が地層に刻まれているとか。 |
急な勾配が続く場所では、はぁはぁ言いながら登っている我々は、 下りてきている2人連れに「もうすぐですか?」と尋ねると、 「いえ、まだまだありますよ。」と正直な答えをされた。 次に下りてきている3人連れにも「もうすぐですか?」と。 すると、「もうすぐですよ」と、やれやれと安心できる答え。 でも、「ワハハハ」と笑われては、「そば屋の出前」だった。 |
山頂に到着するとすぐに鳥居が目に入ってくる。三原神社。 三原神社の鳥居の脇には大きな溶岩が鎮座している。 「マグマのしぶきがくっついた岩」だそうで、 1986年の噴火で噴き上げられた大量の溶岩の しぶきが積み重なって出来た塊だとか。 火口からあふれ出た溶岩流に乗って、 ここまで流れ着いたのだとか。 |
さて、いよいよ火口に近づいてみた。 「火口展望台」から「火口西展望所」までを歩いたが、 どちらの展望場からも、火口の底までは見えない。 「火口展望所」からは火口の底までよく見えるそうだが、 それには火口を1周するコースを歩かなければならない。 三原山の東部に広がる裏砂漠と呼ばれる真っ黒な地面と、 本当は、火口1周コースも歩きたかったのに、 この日に京都まで帰る予定で、時間的な余裕がなく、 体力的にも裏砂漠と火口1周コースというのは諦めた。 |
走っている若者に声を掛けて、話を聞いて驚いた。 元町港から三原山頂口までの往復タクシー代に1万円以上を払った距離、 三原山頂口から火口の見える山頂まで歩いて記録した16000歩以上の距離、 その上、我々が諦めた火口1周コースと裏砂漠までをすべて走ってきたそうで、 これから元町港まで走って戻る、と聞いて、「すごい!」としか言えなかった。 |