ニュージーランドの温暖化対策

去年、朝日新聞に非常に真面目なだけにおもしろい記事が出ていた。
「地球温暖化防止は家畜のげっぷとおならの抑制から」というものだ。

ニュージーランドでの話である。
ニュージーランドは人口380万人だが、畜産大国であり、
羊4600万頭、牛900万頭などを飼育している。
同国環境省によると、排出する温室効果ガスはメタンガスが44%を占めて、
そのかなりの部分が、羊や牛など反芻動物が出すげっぷやおならに含まれるとか。
このため、家畜の消化器内でメタンを作るバクテリアを抑制したり、
消化される時にメタン生成の少ない牧草を開発する研究が進んでいるそうだ。
温暖化はニュージーランドにも深刻な打撃を与えるとの報告書を発表して、
政府としても研究開発に力を入れる方針を改めて強調した、
というような真面目な記事であった。

京都議定書の発効問題が世界の注目を集めた中で、
他の先進国とはちょっと違う対策に重点が置かれているという
このニュージーランドの記事を読んで、
かつて1ヶ月半を過ごして特別の親しみを覚えた彼の地の羊たちのことを
懐かしく思い出している昨今である。

げっぷとおならは自然現象で、意識したことはなかったが、
せいぜい周りの人たちに迷惑をかける程度だと思っていた考えを
改めなければならない事態になろうとは…。
げっぷとおならが地球の温暖化に加担していたとは…。
羊や牛などの反芻動物だけに限らず、
人間もげっぷとおならを抑制されるようになるのかと想像した途端、
んぐ、ゲフッ、おっと失礼。


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