らくがき寺


外国の観光地で日本語の落書きを見つけると恥ずかしい。
日本国内の観光地でもあちこちで落書きがあり、
場所によっては大きな困った問題となっている。

が、京阪「八幡市」駅から徒歩10分位の所にある
単伝庵(単伝寺)ではおおっぴらに落書きをしても良い。
ただし、落書きと言っても、願い事を白壁に書くのであって、
勿論、落書きをしても良い場所は限られている。


お寺の名前として「らくがき寺 単伝庵」と書かれている。
最初、こちらから入ったのだが何だか違うような気がしていた。


中へ入って気がついたが、こちら側が正面だったようだ。
やはり、名前は「らくがき寺 単伝庵」と書かれている。


ここ大黒堂内の白壁に願い事を書くようになっている。


びっしりと落書きが、いえ、願い事が書かれている。
この白壁は毎年大晦日には塗り替えられるそうなので、
これはこの1ヶ月足らずの間に書かれたものということになる。
今年の終わり頃までにはもっとびっしりと書かれることになるのか。


「○○がもどりますように」とは…、家出でもしたのか。戻りますように。
こういう悲痛なお願い事もあれば、天罰を…と怒りのお願い事もある。


しかし、このお願い事に一番親近感を持った。
私も宝くじに当たって早くお礼をしたいものだ。


ところで、はい、もちろん、書いてきました。
壁紙なので書き難かった、とは、下手な字の言い訳なり。

いろいろ注意書きも書かれていたが、「一番大事なお願い事を書くように」
「壁以外の場所へは書かないように」「皆さんのためになるべく小さく書くように」
「黒色以外のマジックでは書かないように」「らくがき祈祷料は賽銭箱へ」など。

どこにもお寺の人が居なくて、誰も見てはいなかったが、
当然、らくがき祈願料300円を賽銭箱へ入れました。

「Mizuの部屋がにぎわいますように」と入れたところで終わるはずが、
記憶と記録のために、らくがき寺の近くの話題をおまけでもう少し。


「安居橋(あんごばし)」という名前だそうだが、
大きく半円を描いた形からは別名の「たいこ橋」の方が良い。


これは珍しい、航空安全祈願の「飛行神社」。
ライト兄弟が初飛行に成功する前から、二宮忠八という人が飛行機開発をしていたとか。
動力付き模型飛行実験には成功したものの、人を乗せる飛行機をライト兄弟が実現して、
飛行機開発を止めて、航空事故の犠牲者の霊を祀る神社を創設したそうだ。


飛行神社の真っ正面には、巨大なガラスケースに入った飛行機エンジンが飾ってある。
1960年代に西側諸国の主力機で日米初の実用超音速戦闘機だったロッキードF104「栄光」のエンジン。
これは模型ではなく実物だということだ。


鳥居は、これまた珍しい、航空機に使われる素材のジュラルミン製である。


これは、一目でプロペラと分るが、曲がっており、破損したエンジンが残っている。
説明板によると、海中に墜落した零式艦上戦闘機(通称:零戦)の機首部とある。
底引き網にかかって岸和田漁港に引上げられたものだとか。


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