沙羅の花を愛でる会
6月15日から7月5日までの期間、妙心寺・東林院が一般公開される。
平家物語の冒頭に出てくる「沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす」
で知られる沙羅は夏ツバキの別名で、梅雨の時期に花を咲かせる。
朝咲いて夕方には散ってしまうことから、世の無常を象徴しているといわれる。
地面に落ちた無数の白い花びらと庭園のコケの緑とのコントラストが鮮やか。
東林院には樹齢約300年と言われる高さ15メートルの沙羅双樹の古木がある。
実は、我が家の小さな庭にも沙羅の花があるが、樹齢10年にも満たない。
一つの花は一日で散ってしまうが、次々と咲くのでしばらくの間楽しめる。
毎年たくさんの花を付けていたのに、去年からおかしくなって、
今年もほんの申し訳程度に花を付けただけで終わってしまった。
そこで今年は東林院まで沙羅の花を愛でに行ってきた。
沙羅双樹は、お釈迦さまが入定された時、いっせいに花開き、
その死を悲しんだと言われ、仏教とゆかりの深い銘木。
書き物によると、沙羅の花は一日だけの生命を悲しんでいるのではなく、
与えられた一日だけの生命を精一杯咲き尽くしていると考えれば、
二度とめぐり来ない今日一日を大切に、悔いなき人生を送らねば、
などと静かに座って自分を見つめ直した一日でした。
沙羅の花を愛でる会の会費は、抹茶付きが1500円。抹茶と精進料理付きは5300円。
妙心寺・東林院へはこちらをどうぞ。
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