石楠花山


初めに。
石楠花山と名前は付いているが、シャクナゲの花は見なかった。
もちろん、今はシャクナゲの花の季節ではないが、その木もなかった。
インターネットで見ても、やはりシャクナゲはないようだ。


神戸まで車で行き、神戸市立森林植物園へ駐車した。
森林植物園は石楠花山から下りてきてからゆっくり散策することにして、
先ずは、石楠花山を目指して登ることにして歩き始めた。
駐車場近くの正門から入ったが、植物園を抜けてしばらく歩いて、
ここ東門から外へ出た。写真は、外から森林植物園を撮ったもの。
外へ出たといっても、植物園自体が森林なので、すぐに山道が始まる。
山から下りてくるとこの東門からも森林植物園へ入れるので、
門に立てかけてある看板は「正門で入園料を払うように」との注意書き。

実は、今回の石楠花山登山は今までにないことだが道に迷ってしまった。
それは、持っていた地図にない道が実際にはあったことと、
道標の案内が不十分だったために、迷ってしまったのだ。
が、そのことは後で書くことにして、先ずは順序を追って始めよう。


順序を追って始めたら、いきなり頂上です。(^^;)
この日は曇り空で、見通しは良くなかったが、
はるか遠くかすかに大阪湾と右手には淡路島が見えた。
頂上からは南に当たるこの方角だけが見渡せる。
標高は652m。二階建ての展望台があるが、三角点もない。


その代わりに不思議な標識を見つけた。
「防火水そう」の下に「駐車禁止」と書かれている。
なに?こんな山の頂上で駐車禁止?
登ってきた道ではなく別の道を下りようとしてこの謎は解けた。
我々は(道に迷ったこともあるが)狭い山道を登ってきたが、
別の所から登ってくる別の道は整備された広い道だった。
といっても、乗用車が通れるほど広くもないように思われたので、
あれはバイクやマウンテンバイクへの注意書きだったか。


さて、これはいかにもカワウソが棲んでいそうな獺池です。
写真では山の姿が映って水が澄んでいるように見えるが、
そんなにきれいでもなく、カワウソが棲んでいることもないだろう。


通った道は、所々でこんな橋を渡らねばならなかった。
慎重に落ちないことを確かめながら進んだ。
川の上ではないが完全に壊れて落ちているのもあった。

     
     

道に迷った話に入る前に、キノコの写真でも入れて気を静めましょう。
松茸ならいいのにと思ったキノコ、大きな木株に出たキノコ、
懸命に伸びようと頭を傾けているキノコ。

さて、最初の分かれ道の道標に石楠花山の案内がなかった。
帰り道で見た道標には十分に書くスペースはあったので、
「石楠花山」の案内を書いていてほしかった。
持っていた地図「山と高原地図」の「六甲・摩耶」によると、
東門から出て最初の分かれ道を左へ行くようになっていた。
左への案内には「ドライブウェイ」の文字があり、
目的の道はそのドライブウェイを横切るようになっていたので、
いささか不安はあったものの左への道をとった。
ところがこれが、結果として、一つ早く左へ曲がったことになる。

しばらく山道を行って、ドライブウェーへ出たが、
ドライブウェーを横切って山へ上がる道がない!
地図とは全く違うので、これは間違ったと分っても、
さて、今立っている場所が地図上のどこなのかが分らず、
右への歩道は途絶えていて、左へは歩く道があったので、
大きな不安を抱えたままで左へ歩き始めた。

ところが、そのドライブウェーの曲がり方を見ると、
どうも反対方向へ行っているようだとの判断で、
来た道を戻って、さっきの場所から右方向へ歩き始めた。
といっても、右方向は歩く道がないので車道を歩いた。
車は歩行者が歩いているとは想像していないだろうから、
カーブでは車を驚かしてはいけないからと特に注意して、
ビュンビュンと飛ばす車が来ると道端に止まってやり過ごした。

しばらく歩いて、やっと山へ上がる道が来た。
が、それにしても何の案内もいっさいなかったし、
本来の道ならドライブウェーを横切るようになっているのに、
反対に、東門から上がってきたはずの道がない。
この道は違うだろうが、多分ここからでも登れるはずだ
との楽観的見地からその道を登ることにした。

やっとここで一人山から下りてきている人と出会った。
石楠花山の頂上への道だと分って以後は安心して登った。
結果として、これも、一つ早くに入った頂上への道だった。

さてさて、下りはまた別の道をとろうと計画していたので、
登ってきた道とも本来の道とも違う獺池へ下りる道をとった。
獺池への道は何事もなくそこからの道も順調だったが、
次がまた、分かれ道での案内が不十分で、予定外の道だった。

上で写真を載せた今にも落ちそうな橋やら壊れた橋やらを過ぎて、
その内雨も降ってくるし、何度も下りたり登ったりの繰り返しで、
ちっとも下へ下りていないとの不安の中、雨に濡れながら歩いた。
最終的には、最初にこの道を行けば予定通りだったという道へ出た。

最初の道標に「石楠花山」の案内がなくて迷ったが、
次の道標では確かに「石楠花山」の案内があった。
「石楠花山」の案内がない最初の道標があった分かれ道が
地図には載っていなかったために起こった今回のミニミニ遭難だが、
これまで登った山は、地図などなくても道標だけで確実に登れた。

神戸の山は道標が不十分だとぼやいているのは他にも訳がある。
神戸市立森林植物園には大いに興味があったので、
石楠花山から下りてきてからゆっくり散策するつもりだった。
それが、ゆっくりどころか、植物園が閉まる時間ぎりぎりに下りてきた。
初めにトイレを借りて歩き始め、迷ったために長時間トイレなしで、
最後に大急ぎでトイレを借りただけで出る羽目になった。
結局、入園料2人で600円と駐車料500円の計1100円払ったのが、
トイレの借り賃と高い駐車料に化けてしまった。


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