そろばんの町・小野市



小野市はそろばんで有名だが、今時そろばんを使う人は少数派だろうか。
未だにそろばんで家計簿をつけていると言うと笑われそうだが、
家計簿とも言えない小遣い帳をつける時に私はそろばんを使っている。

小野市のシンボルでもあるこのそろばん、「2009」と入っている。
ところが、小野市のHPの写真(こちら)では数字は入っていない。
考えるに、最初はこのそろばんには数字が入っていなくて、
小野市のHPはその頃撮った写真を使っていて、
その後その年の数字を入れるようになったということだろうか。

小野市伝統産業会館では珍しいそろばんをいろいろ見ることができる。

その中で圧巻なのがこのそろばん!
なんと、213桁もあり、長さ2.95メートル、幅8.5センチ。

といっても、実際にどんな長さか想像できない場合は、これをどうぞ。
手前のそろばん、これで125桁。これでも後ろのそろばんと比べどんなに長いか。

ちなみに、特に最後の辺りが興味深い数の単位は以下の通り。
一、十、百、千、万、億、兆、京、垓、杼、穣、溝、
澗、正、載、極、恒河沙、阿僧祇、那由他、不可思議、無量大数。


ついでに、小さい方の数の単位は以下の通り。
一、分、厘、毛、糸、忽、微、繊、沙、塵、埃、渺、
漠、模糊、逡巡、須臾、瞬息、弾指、刹那、六徳、虚、空、清、浄。


左の方は真っ直ぐなのに右の方は斜めになっているのが分かるだろうか。
この方が指を動かし易くて使い易いのだろうか。

上下そろばん

梁上3玉そろばん

ロールそろばん

二つ折そろばん

視覚障害者用東京式そろばん

視覚障害者用堀江式そろばん

そろばんを作る材質は、紫檀・黒檀などだが、象牙も良い。

ガラスケース内の撮影なので光の当たり具合で色が違うが、
黄金のそろばんも素晴らしい。

中国式のそろばんの玉は上2個下5個であることは、
台湾で赤い巨大そろばんを見た時に知った。


播州そろばんの材料で作られた姫路城。
大きさは実際の姫路城の約五百分の一。
そろばん玉5万個を使って作られている。


播州そろばんの材料で作られた神輿。


そろばんの玉通しを体験できる。
先ずは、係りの人がお手本を見せてくれる。
ツゲの木で出来た玉の中にそろばんの枠を入れて何度か左右に動かす。
すると、この通り、枠にはたくさんの玉が入っているのでそれを揃える。


次には見学者にも体験させてもらえる。
手をとって手の動きを教えてくれる。
同じようにやったつもりでも、この程度しか玉が入っていない。
何事もプロと素人ではこのような差が出るものである。


最後は、小野市のシンボルである最初のそろばんの写真、
近くで見ると、このようにかなりくたびれている。
2009年の今年は「2009」と数字が入っていることから推測して、
1年毎に数字を入れる時にこのくたびれようも分かっているはず。
そろそろ、〜ご破算で願いましては〜、と、
そろばんも新しくしてはいかがでしょう、小野市さん。



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