長谷の棚田
棚田の写真といえば、稲の植わった緑の棚田か実りの黄金の棚田だろうが、
冬枯れのこういう棚田もまたなかなか良いものだ。
しばらく枯れ色の棚田を見ていただいた上で、
棚田を訪れる人へのマナーの問題その他の話題を続けます。
こうして見てみると、緑の棚田と黄金色の棚田と比べて載せたくなる。
まるで違った表情になるであろうことは容易に想像できる。
広い道路端に駐車して歩いて棚田地区へ入り、車でやってきた地元の人に道を尋ねた。
その人の話から、この地区の人がマナーの悪いカメラマンに困っていることを知る。
訪れたのが冬だったせいかこの日観光客の姿は我々の他には見かけなかったが、
棚田百選に入ってからかどうか、たくさんの人がこの地区を訪れるようになり、
写真を撮るために田の中へずかずかと入ったり、あぜ道に三脚を立てて穴を開けたり、
こんな看板を立てなければならないような事態に陥ったとか。
「こんな所で住む気にはならないわなぁ」などと気に障ることを大声で言ったり、
ついに怒りを爆発する地元の人が出たようで、道を尋ねた人はいろいろ教えて下さった。
「あの家の側を通ったら怒られるからガードレールが見えているあの道を行きなさい」と。
教えられた通りに行くと、山の中へ入り、思わぬことでハイキングもできた。
ところが、この辺りで飼われている犬は放し飼いになっていて犬が寄ってきた。
繋がれている犬は我々を遠くから認めた頃から吠え始める。
見知らぬ者がやってきたと知らせているのだろう、
あちらからもこちらからも犬の遠吠えが始まった。
繋がれている犬の所へ近づくと吠えるのを止めた。
我々が怪しい者ではないと認めてくれたのか?
山の中ではこんな物も見つけた。
右側が開いていて、これはイノシシの檻か?
熊の檻ではあるまいと、願いながら歩いた。
茅葺屋根の農家も棚田には良く似合って絵になる。
棚田ということは当然ながら坂道を登って歩くことになる。
こういう田園風景を気持ち良く見せてもらうためにも、
田植えや稲刈りなどの農繁期に農道へ車を乗り入れたりしないよう、
農作業や生活の邪魔をしないよう見学者はマナーを守りたいものだ。
と、辛口の締めくくりになってしまったが、観光客に来てほしい観光地とは違い、
地元の人の生活の場を訪れる時にはそれなりの節度を持って行かなければ、
との思いに改めて気付かされた出来事であった。
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