東福寺の龍吟庵と相国寺の蟠龍図


今年は辰年なので…という書き出しもこれで四度目。
建仁寺、本圀寺、妙心寺の龍に続いて、今度は一挙に2ヶ所の龍の登場だ。


東福寺境内を散策しながら、目的の龍の居る龍吟庵へと向かう。


さぁ、ここを入れば龍に会える。


そうなんです、ここの龍は庭に表現された龍なのです。
でも、あれ? 何か変ですねぇ。
そうなんです、天井画ではないのに庭も撮影禁止なんです。
仕方なく、表にあった看板(ポスター)を撮った写真です。
なお、ネットで見ると庭の写真を載せているサイトがありますが、
あの時「庭を撮るのも駄目なんですか?」と尋ねたら「駄目」と。

方丈を囲む東、西、南に配置された3つの枯山水庭園がある。

西庭の「龍の庭」は、龍が海中から黒雲に包まれ昇天する姿を表現している。
青石による龍の頭を中央に配し、白砂と黒砂は雲を表現しているとか。
(写真には写っていないが)周囲の竹垣は稲妻模様になっていた。

方丈正面の南庭は「無の庭」で、石も木も何もなくて簡素な白砂敷きだった。
東庭は「不離の庭」で、赤砂を敷いて中央に長石を、前後に白黒の2つの石を配している。
狼に襲われそうになった国師の身を2頭の犬が守ったという故事により作庭されたとか。

写真がないので、文章だけで綴っても退屈でしょうか。
そこで、いきなりですが、東福寺は美しい紅葉で有名なので、
以前撮った紅葉の写真で目を覚ましていただきましょう。


この写真と同じ位置から撮ったのが下の写真です。


あのきれいな紅葉の東福寺も冬にはこのような冬枯れの風情です。


さて、次は相国寺へ着きました。
上の写真が「蟠龍図」のある法堂です。


ところが、ここも撮影禁止なので、看板の絵を拝借。
狩野光信の筆による天井画「蟠龍図」だから、撮影禁止もやむを得ない。
妙心寺の雲龍図と同じく、法堂内に八方にらみの龍が描かれている。

ここの龍がおもしろいのは、堂内で手を打つと音が反響して龍が鳴く。
「鳴き龍」として知られているが、手の打ち方によって違って聞こえる。


ここは写真を撮っても良い、開山堂の中にある龍淵水の庭。
写真左から上に上がり右に曲がり左にくねくねと水が流れる道が龍のように見える。

天井から見下ろしている龍も、庭で寝そべっている龍も、
写真があれば一目瞭然だが、文章だけで綴るのは何とも心もとない。


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