Commencement(卒業式・学位授与式)


アメリカの大学の卒業式に参加してきた。
といっても、私が卒業した訳ではない、念のため。
アメリカの大学では、卒業式には家族や親戚、友人達が大勢で出かけて、
卒業と新たな出発を祝うのが慣わしだというので出かけてみた。
ちなみに、commencementとは「始まり」を意味している。

  U.C.Berkeley(カリフォルニア大学バークレー校)工学部の卒業式と学位授与式は、
日本の厳粛な雰囲気とは全く違ったオープンなお祭り騒ぎ的なものであった。
野外であるので、関係者以外の一般の人も見物できる。
朝から広い野外劇場がぎっしりと人、人、人で埋まっていた。

交響楽団の演奏に乗って卒業生達が入場してくる。
学科でまとまって入場してくるので、学科名が呼び上げられる度に
観客席からはピー!とかウォー!と歓声が上がり、
入場する学生達も手を振りながら観客席の歓声に応えている。
全員が入場し終わると、先ず、観客席も全員起立して国歌を歌う。
 

  舞台の上には、こちらから向かって左側に教授達が座り、
右側にはPh.D(博士の学位)を授与される学生達が座る。
舞台の下には学部卒業の学生達が座り、
その周りに大学院修士課程卒業の学生達が座る。
博士、修士、学部の区別は、着ているガウンの上に掛ける
(1)ケープの有無 (2)ケープの色 (3)帽子に付いた房の色
で区別できる。

舞台上のPh.Dを授与される人達は、
一人づつ名前を呼ばれると前に進み出て、
指導教授から名誉あるケープを掛けてもらい、
握手したり抱擁したり、パフォーマンスはさまざま。

Ph.Dの人達が終わると、次は舞台の下に座っている修士課程の番で、
やはり一人づつ名前を呼ばれて壇上に上がって下りる。

すでに授与式が終わったPh.Dの人達は、
舞台から下りて三々五々散っているので、
家族や友人達も観客席から出てお互いを探す。

  お昼からは野外で学科毎にレセプション(小さなパーティ)が始まる。
飲み物とおつまみで研究室(指導教授のグループ)で集まって
記念写真を撮ったりしてしばらくの間談笑する。

記念写真を撮っている後ろに回った方が、
背中に垂れ下がったケープを撮れるのでおもしろい。
赤色が見えるケープを着ているのは教授で、
MIT(マサチューセッツ工科大学)出身なので、
MITの青色と赤色のケープを掛けておられる。
U.C.BerkelyのPh.Dのケープの色は青色と黄色。
 

  ガウンとケープと帽子はレンタルで申し込む。
レンタル料は55ドル(約6500円)。
ただし、房の付いた帽子はもらえる。
教授の中には、御自身のガウンを持っている人も居て、
それは、ガウンの色と模様が違うので、
一目で自前の物だと分かる。
買えば750ドル(約9万円)位するという話だ。

夜は指導教授の御自宅でのパーティ。
卒業した学生達とその家族、友人、研究室関係の人達40人程が集まった。
Ph.Dを授与された人の名前が書かれてミニチュアの帽子が飾られた
特大の特製のケーキを持ち上げて記念撮影。
 


ヨセミテ国立公園・話題あれこれ へ続く



目次へ 外国旅行記へ 次へ