鳳凰古城と王村



湖南省北西の山間部に少数民族ミャオ族の自治州がある。
その中にある鳳凰古城と王村は観光地として脚光を浴びている。
昔ながらの風情を残している街並みに足を踏み入れると、
さながら昔にタイムスリップしたかのような不思議な感覚に陥る。


古城を流れる沱江の両岸に並ぶ独特の家屋が独特の風景を作っている。
これらは吊脚楼といって百年もの歴史を持っているそうだ。
川沿いに建てられた吊脚楼を利用した民宿がずらっと並んでいる。


吊脚楼というのは、川に杭を打ち、その上に住居が建っている。


水草を採取するのか、小船で水草を切っていた住民が居た。
それを見ながらその側を観光船がのんびりと通って行った。
その観光船には我々も乗って回った。


対岸に渡る手段として日常使われているのが飛び石。
観光客もこの飛び石を歩いて対岸へ渡る。
旗を持ったガイドさんも客を引き連れて一緒に渡る。
客の中の2人の女性が川に落ちる恐怖でこの石を渡れなくて、
遠く高い位置に見えている橋の所まで歩いて橋を渡って来たそうだ。


川沿いに建てられた吊脚楼は民宿だけでなく土産物屋なども多く、
生活船や観光船などが行き交う沱江は静かでのどかな風景だが、
食べ物屋や土産物屋が軒を連ねたくさんの人が行き交う通りは賑やかだ。


正面に見えているのは沱江の両岸を繋いでいる虹橋。
屋根があり二階建ての住居のようにも見えるが、これは橋である。
もう少し近づいた角度からのライトアップされて違った雰囲気の写真。

さて、ここからは王村の話題だが、有名な映画が撮られて話題になった所だ。
1980年代の映画「芙蓉鎮」の舞台となって有名になり観光地化されたようだ。


映画「芙蓉鎮」の中で出てきた米豆腐屋が当時と同じ姿で営業している。
映画を見たことはないのだが、中国人の知人の説明でここでその米豆腐を食べた。
中国の文化大革命で理不尽に田舎へ送られた人の苦労話を題材にした映画だが、
この米豆腐は日本の戦後のすいとん(実際には知らないが)と同じ雰囲気だった。
映画は、文化大革命で田舎へ送られた青年がこの米豆腐屋の女主人と親しくなったが、
女主人は未亡人で、その悲恋も描かれていて人々の涙を誘ったとか。


食べ物屋や土産物屋が並んでいる通りは鳳凰古城と似たような雰囲気で、
昔ながらの古い佇まいの家屋に懐かしい雰囲気の人々が暮らしている。
教えられて、狭い通りから一歩中へ入り裏側へ出て外を眺めてみると、
黒い瓦の民家が連なりこのようなきれいな風景を作り出していた。

最後は、少数民族ミャオ族の村を訪ねた時の写真で終わりましょう。



敷かれたムシロの上で籾殻付きの米を干しているのは懐かしい光景だが、
張家界で見たのと同じあの信じられない山々が後ろに控えていることで、
ここはやはり日本ではなく中国であることを思い知らされることになる。

今では信じられるようになった張家界のあの風景を思い出したところで、
さぁ、もう一度武陵源景区へ戻って終わりにしましょう。

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