玉龍雪山




標高2400mの麗江の町からは標高5596mの玉龍雪山が見える。
が、天気が変わりやすくてその全貌は滅多に見られないそうだ。
晴れ男晴れ女の我々が麗江の空港へ着いた時にも雨が降っていて、
晴れ男晴れ女の威力もついに失せたかと残念な思いだったが、
ホテルへ着いた頃にはきれいな二重の虹が迎えてくれて、
かすかな期待を持たせるには十分だった。


翌日も朝から曇り空で、雲の切れ間から見えた時に写真を撮った。
ホテルの外の道路へも出て、その姿をカメラに収めておいた。
雲の動きは早くて、すぐに雲に隠れて見えなくなってしまう。
仕事の途中コーヒーブレイクで外へ出てきた夫にも知らせて、
雲の切れ間から見える玉龍雪山の姿を「見えた、見えた!」と喜んだ。


次の日は晴れで、前日見た玉龍雪山の頂上は見えていなかったことを知る。
晴れでも下の方に雲はあるが、これが頂上かと昨日よりもっと感動する。


黒龍潭というきれいな公園からも玉龍雪山が見えた。
頂上は雲に隠れていたがあまりの美しさに満足して撮る。
公園内を散策している間に空を見上げれば雲がなくなっている!
かなり歩いて行っていたが、ふうふう言いながら走って元の場所へ戻る。
あの雲がなくなれば全貌が撮れると雲が動くのをしばらく待った。
しかし、上の雲は動いてなくなっても雲は下の方から次々と湧いてくる。
下の方に雲はあるが、頂上が見えていることに満足して妥協して撮る。

この後前日に小雨の降る中を歩いた古城地区へ土産物を買いにもう一度行った。


昨日は雨傘として使った傘を今日は日傘として使いながら、
ぶらぶら歩きながらふと振り返って驚いた。
玉龍雪山が見えている!
しかも、全貌が見えているではないか!
これは何が何でも高い場所から撮らなくては!
古城地区で最も高い場所に建つ万古楼へ行かなくては!


万古楼へは前日に小雨の中を坂道を登り階段を上がり行っていた。
あのしんどい坂道と階段をもう一度上がることに躊躇しなかった。
しかも、前日の経験からいつ雲が出て隠れてしまうか分からない。
急がなければ!
チベットでの経験で酸素が薄い所では走ってはいけないと知っていた。
しかし、麗江自体が標高2400mで酸素が少し薄いことを忘れていた。
急いで走って小高い山の上の万古楼を目指した。
万古楼へ着く頃には雲が出ているかもしれないので、
途中でも頂上の見える写真を何枚か撮っておいた。


長い坂道を登り、やっと万古楼まで行き着いて、
高さ33mある5層の楼閣の階段を上がる頃には息も絶え絶えだった。
しかし、途中の窓から見える快晴の空に希望を持ちながら、
ついに万古楼の最上階まで到達して、急いで写真を撮った。

その時のパノラマ写真(こちら)も見ていただいた上で、
貴重な雲ひとつない玉龍雪山の写真が最初の写真だ。


ちなみに、この日はこの後もずっと快晴で、
ホテルへ帰ってからもホテルの外の道路でもう一度撮った。
こんなに快晴で玉龍雪山の全貌が見えてしまうと、
雲の切れ間から見えた玉龍雪山の方が神秘的で良かったなぁ
…とは思わないでいただきたい。
黒龍潭でも走り、万古楼へも駆け上った、あの
息を切らせながら走った苦労が無駄に思えるので。
万古楼へ二度も上がった観光客も居ないだろう…。


ところで、この日ホテルへ帰ってみると、
朝にはなかった派手なアドバルーンが揚がっていた。
何かの大会がこのホテルで開かれるということのようだった。
青空に映える玉龍雪山の姿も隠れてせっかくの景色が台無しだが、
この日は一日中きれいな全貌を見られたことでもあり、
ここは寛大に、では、と話題にさせてもらいました。(^^;)

玉龍雪山登山へ続く
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