玉龍雪山登山




登山といっても、標高5596mまで歩いて登った訳ではない。
3356mまでバスで登り、4506mまでロープウェイで上がるのだ。
前日に続き、登山のこの日も幸い朝から良い天気になった。
朝焼けに輝く玉龍雪山も昨日の姿とはまた違ってなかなか良い。


玉龍雪山に近づき、途中バスから降りた場所からの山並み。
天気が良くても、やはり雲が下の辺りに湧いている。


途中で寄った白水河。
水が驚くほど青く澄んだ川で、
山から流れ出た水が棚田のようになっていて、
ヤクと記念撮影する観光客が多い。
黒いヤクと白いヤクが居た。


いよいよ3356mの地点よりロープウェイに乗って4506mの地点まで登る。
富士山(標高3776m)の頂上よりもっと高い場所へロープウェイで上がるのだ。
ロープウェイは全長約3kmを約30分かけて上がって行く。
世界で一番高い場所にある世界で一番長いロープウェイだそうだ。
上へ上へ上がるに連れて、雲の中に入り視界がきかなくなってきた。
ロープウェイの中よりガラス窓越しに撮った写真だが、
下りて行くロープウェイの姿が雲の中から現れた。


先ずは、4506mの地点に降り立った証拠写真を。
なお、この山は未踏峰だそうだ。
4506mまでロープウェイで上がれて頂上までは残り1000m少々。
単純に考えれば登れそうなものだが、山肌の石が崩れやすいそうで、
危険なので未踏峰ということのようだ。


4506mの地点に降り立ってすぐ近くで目に入ってきたのがこの氷河。
カメラの記録で見ると、撮影は13時37分。
太陽が顔を出して遠くまで見通せる。


ところが、この写真の撮影が1分後の13時38分。
にわかに雲の中に入り見えなくなりかかっている。


その後、この写真は2分後の13時40分の撮影で、
再び、雲が晴れてきている。


氷河の前に撮ったこれが13時26分。
山の向こうは青空だがこちらには日が当たっていない。


2分後の13時28分。
こちら側に日が当たっているが、右から雲が来ている。

このように、山の天気は変わりやすいことを実感した。
というより、雲の動きにつれて太陽が現れたり隠れたりしているのだ。


富士山の頂上より高い4506m地点では酸素も薄く長居は無用で、
ゆっくりパノラマ写真など撮る余裕はなかった。
この2枚の写真は撮った時刻も違うが視界は続いている。

この地点での滞在は最初1時間の予定だったが、
ロープウェイが混んでいて長時間待たされたこともあり、
その後の予定もあるのでこの場には1時間も立ってはいなかった。


私は高山病は大丈夫だったが、酸素ボンベから酸素を吸っている人達もかなり居た。
これは帰りのロープウェイを待っている時だが前の女性と後ろの男性も吸っている。

チベットへ行った時には事前に調べて高山病予防薬を持って行った。
チベットではたくさんの人が高山病に苦しんでいた中で、
私は予防薬を飲んでいたからか、何ともなくて元気だった。
今回は仕事関係の団体で高山へ行くことを知ったのは日本を発つ直前で、
予防薬を処方してもらいに病院へ行く時間がなかった。
それで、高山病については実は私も少なからず心配していた。
が、3650mのラサから5190mの峠で歩いたチベットよりは高度が低いことと、
4506mの地点での滞在時間は1時間と聞いていて短いということで、
多分大丈夫だろうとの希望的観測で望んでいた。
実際、チベットの時も一緒でチベットでは苦しんだ人も今回は大丈夫だった。

実は、4506mの地点に降り立った時、我々のガイドさんが椅子に座っていた。
しかも、酸素ボンベを手に持って酸素を吸っていた。
「あれ?ガイドさんが高山病ですか?」と皮肉を言ったら、
心臓が悪いとかで酸素を吸っているとのことだった。
心臓が悪い人は高山へは行かない方が良いことは知っていた。
「では、命がけのガイドじゃないですか」と言ったら、
酸素ボンベを大事そうに抱えながら、力なくうなずいていた。


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