インターネット時代 その3


受付に置かれたウェルカムボードとウェルカムドッグ
(息子と)彼女が手作りで作ったもの


長男が結婚した。
次男の方が先に結婚しているので、これでやれやれだ。
次男の時は「インターネット時代 その2」(ここ)に書いたが、
長男もインターネットを最大限に利用して彼女を私に紹介した。
息子はアメリカで住んでいた頃に時々「”そ”の字」の名前で掲示板へ来ていた。
帰国後は来てくれることはなかったのに、それがある日突然やってきて、
珍しく”そ”の字の書き込みがあった後で「”あ”の字さん」がやってきた。
”そ”の字の後が”あ”の字とはおもしろい!と笑ったが、あれ?
「”あ”の字さんというのは友達か?」と息子に尋ねた。
息子は「いや、全然知らない人だ」と答えた。
ところが、翌日になって「実はあれは友達だ」と訂正してきた。
最初は知らない人だと答え、次には友達だと訂正してくるなんて、
もう決まったようなもんだ。母親をなめてはいけない。

次男の彼女も書き込みを喜ぶ私の点数稼ぎによくやってきてくれたが、
長男の彼女の努力も並々ならぬものがあった。
最初の頃はほぼ日参状態だった。
おかげで、実際に会う前からすっかり親しくなってしまった。

披露宴では少しばかり、というか、かなり驚かされた。
すべてを二人でやっていて親には全く知らされていなかった。
先ず、ケーキカットでは、3個のケーキ!が運ばれてきた。
他の2組のカップルと一緒にやりたいということで、
なんと、それぞれの親が呼ばれて6人でケーキカットをした。

その次は、花嫁さんのお色直しの時のこと。
「新郎新婦が装いも新たに登場されます」とのアナウンスが聞こえた。
その前に両方の母親が呼ばれていた。
なんと、先ずは新郎と私が手をつないで入場するんだそうだ。
そんな!息子と手をつなぐなんて恥ずかしくてやってられない。
が、抵抗もできず仕方なく言われる通りにした。
しかししかし、誰もがお色直しの花嫁さんが現れるものと思っているから、
新郎と私が現れた時、会場はシーーーンとした。
花嫁さんが留袖を着た年増の女に変わって、あっけにとられている。
次に、本物の花嫁さんとお母さんが現れてみんなはやっとホッとしていた。

驚いたことのその3。
親への感謝の花束の他にテディベアをもらった。
なんと、このテディベア、二人が生まれた時の体重で作られていた。
息子は3360gだったので、今改めて抱いてみると結構重かったんだなぁ。
それぞれの生まれた時の体重分の中身を詰めて手作りしたそうだ。
でもでも、私は熊を産んだ覚えはないのだが…。
今年は日本のあちこちで熊が出没しているが、
結婚式場にまで現れるとは思ってもいなかった。


彼女のお母さんと私がもらったそれぞれのテディベア
すべて(息子と)彼女が手作りで作ったもの


結婚式の案内状、ウェルカムボード、ウェルカムドッグ、リングピロー、
披露宴での席順・メニュー表、テディベア、最後に配った小品、
二次会での挨拶状、などなど、すべて手作りした上に、
案内状や席順・メニュー表などには手書きで一人一人にメッセージを書く、
という気の遠くなりそうな作業に膨大な時間をとられて、
翌日新婚旅行へ出る荷物の準備は当日まで全く何もできておらず、
果たしてあれで出発できるんだろうかと心配したが、
まあ、何とかなるもんなんだなぁと、感心している。

考えてみれば、二人の息子達はインターネットを利用して、
さりげなく彼女を紹介し、掲示板へ書き込んで喜ばせてくれては、
ウムを言わさぬようにして、まあ、息子達の作戦勝ちというところか。
ホームページを持っている母親で良かっただろう? 簡単で。


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