妙心寺・退蔵院の水琴窟


妙心寺は、
東林院の沙羅の花を載せたことがあるが、
今度は雨の中を退蔵院の水琴窟を聞きに行った。
底に穴を開けた瓶を伏せて地下深くに置いてあるので、
流れた水が瓶に反響して琴の音のような音を出すことから水琴窟と言う。
耳を澄ますと心に響く澄み渡った音が地の底から聞こえてきた。
雨が降っていたために水は絶え間なく落ちるので、
音は留まることなく緑の静寂の中、微かに響いていた。



妙心寺内にある「花ごころ」の竹の子懐石は、
先付、吸物、お造り、焼物、紙鍋、強肴、鉢物、食事すべてに
竹の子が使われていたが、「錦水亭」のように竹の子三昧ではなかった。

箸袋に書かれていたありがたい食事五観文。
  • 一つには、功の多少を計り、彼の来処を量る。
     (この食物が食膳に運ばれるまでには、幾多の人々の労力と
      神仏の加護によることを思って感謝いたします)
  • 二つには、己が徳行の全欠をはかって供に応ず。
     (わたくし共の徳行の足らざるに、この食物を頂くことを過分に思います)
  • 三つには、心を防ぎ、過貧等を離るるを宗とす。
     (この食物にむかって貪る心、厭う心を起こしません)
  • 四つには、正に良薬を事とするは形枯を療ぜんが為なり。
     (この食物は、天地の生命を宿す良薬と心得て頂きます)
  • 五つには、道業を成ぜんが為に、将にこの食をうくべし。
     (この食物は道業を成ぜんが為に頂くことを誓います)



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