ポルトガル見て歩き


ポルトガルではそのほとんどを首都のリスボンではなく、
北部の町Porto(ポルト)で過ごした。
ポートワインの積出し港として栄えたポルトの町は、
あちこちで新しい町に生まれ変わる工事中であったが、
古い町並みを保存している地区は世界遺産に指定されている。


ホテルでチェックインの時、グラスに注がれたポートワインを出されて、
さすがポルトだと感心した。
Douro(ドウロ)川を挟んで町の対岸にはワイン蔵が軒を連ねていて、
その1つの蔵を訪ねることができた。
中へ入ると、プーンと鼻をつく香りがした。
ずらーっと並ぶ大きな樽の1つ1つには、仕込まれた年代が刻印されている。
中は薄暗いので、ずらーっと並んだワイン樽を写真に撮るには、
フラッシュを焚けば近くの樽しか写らないし、
フラッシュを焚かなければ全体が暗くなってしまって、
写真はも一つだが、雰囲気は伝わるでしょうか。

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ポルトの町の人々は、私がこれまで訪ねた国々の中で一番親切だった。
英語がしゃべれないのをものともせず、身振り手振りで教えてくれた。
ある所で、レンガ作りのしゃれた建物の入り口を眺めていると、
通りかかったおじいさんがしきりに建物の裏側へ廻るようにと
ジェスチャーで言っている。
建物の裏側に何があるのだろうと思いながら裏側へ廻ると、
ジャーという水の音がして女性が出てきた。
なんと、それはトイレだったのだ。
つまり、私は男性トイレを覗いていたというわけ…。
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トイレと言えば、ヨーロッパの国ではよくあることだが、
コインを入れなければドアが開かない有料トイレもあれば、
入り口でおばあさんが座っていてお金を取られるトイレもある。
置かれた箱の中に20Esc(エスクード)と50Escのコインが見えたので、
20Escで良いか?と問えば、駄目だと言う。
では、50Esc(約25円)か?と問えば、そうだと言う。
箱の中に50Escコインを入れたら、指差してそこのトイレに入れと言う。
手を洗ったら、紙タオルを切って渡してくれた。
紙タオル代という訳か…。
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バスに乗って運転手に行き先を言って尋ねたら、後部座席へ行けと言っているらしい。
ところが、乗客も一緒になって後ろへ行けと大合唱してくれる様子がどうも違う。
このバスは行かないのかと降りたら、後ろに来ていたバスが目的のバスだった。
つまり、乗客も一緒に目的のバスが後ろに来ていると教えてくれていたのだ。
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バスは乗る時にお金を払うと運転手が切符をくれる。
1回約100円。 安い。
町のあちこちにある売り場で買っておけば、500円弱で10回乗れる。
運転手が切符を売れば時間がかかるから、その手間がかからない分、
町で買っておけば半額以下になるというのは納得。
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Lisboa(リスボン)へはポルトから3時間半の列車の旅。
我々が乗った特急は最高 220km/h くらい出ていた。
新幹線よりはちょっと遅いがきれいな列車で快適な旅だった。
リスボンの町でFado(ファド)を聴く。
フランスのシャンソン、アイルランドのバラードと同じように、
庶民的な哀調を帯びたポルトガルの民謡というか演歌みたいなもの。
ある地区にはこのファドを聴かせるファドクラブが集まっている。
そこではギターに合わせて歌うファドを聴きながら食事ができる。
午後8時頃その一つのレストランへ入った。
ところが、お客さんは我々のみ。 時間が早過ぎたようだ。
貸し切りで食事をゆっくりと楽しむ。
午後9時頃になってくるとさすがにたくさんの客が入ってきた。
いよいよファドの演奏の始まりだ。
食事を続けながら、ファドを聴く。
深夜2時から3時頃まで続くそうだ。
一番盛り上がるのは夜中の1時から2時頃とか。

  

ユーラシア大陸最西端の地、Cabo da Roca(ロカ岬)。
地の果てだけあって、お天気の良かった空が、
ここに近づくにつれて暗くなり、霧が降りてきた。
風が強いので飛ばされないよう足を踏ん張りながら、
おそるおそる地の果てに近づいて写真を撮る。
右は、地の果てに到達したことを証明する、最西端到達証明書。
ポルトガル語なので何が書かれているのか…。 説明によると、
ポルトガルの有名な詩人カモンエスに「陸尽き、海始まる」と詠われ、
新世界を求め、未知の海へとカラベラ船を繰り出した航海者たちの
信仰心と冒険魂が、今になお波打つ所です、と書かれているようだ。
証明書には名前と日付をその場で書いて入れてくれた。

  
  

順番が前後するが、ポルトの町で信じられない光景を目にした。
なんと、6車線の道路の真中にバイクと車が向かい合って駐車していた。
よく見ると、それは少し先の信号での左折車線(車は右側通行)上である。
左折する車がそこまで連なることはないだろうとの予想の上での駐車と思われる。
しかし、いくらそこが空いているからといって、
道路の真中に駐車していいんだろうかといぶかった。
写真を撮っていると、お巡りさんがやってきてナンバーを控えている。やっぱり。
駐車していたバイクは一足先に行ってしまっていた。
やがて、車の運転手も戻ってきた。
しかし、悪びれている様子もない。
それにしても、道路の真中で駐車しているのを見たのは、この国が初めてだ。


彫刻と一緒に立つのは、日本では昔懐かしいポスト。
写真を撮りながら、「このポスト実際に使ってるんだろうか?」と言ったら、
同行した若い人が「えっ、僕さっきこのポストに絵葉書を入れましたよ〜」
果たして絵葉書は届いたのだろうか???



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