トロッコ列車で行く黒部渓谷



京都からJR北陸本線の特急列車「サンダーバード」で高岡駅へ。
高岡からはバスで宇奈月温泉へ。が、今回は温泉は関係なし。
黒部川に沿って走る黒部渓谷鉄道のトロッコ列車で黒部渓谷の景観を楽しむ。

黒部渓谷トロッコ列車は、最初、電力会社の専用鉄道として開通して、
建設資材の運送に使っていたが、車窓からの眺めが絶景だったために、
昭和46年に一般用としての運転を開始して現在に至っているそうだ。


土日は混雑したそうだが、この日は月曜日ということで、客はまばらだった。
事前の説明では、椅子1列に5人程で詰めて座るようにと言われていた。
が、このガラガラの空きように、座席を独り占めして好きなように座った。
さらに、事前の説明では、トロッコ列車は「猫又」駅から引き返して戻るので、
渓谷側の人は帰りは反対側へ座ってよく見える席を譲るようにと言われていた。
が、このようなガラガラ空きではその必要もなく、往復共に渓谷側の席に座った。


うなづき湖。
青い空に白い雲、雪の残る山を背景に赤い橋がよく似合っている。


ダム湖の濃い緑色、黒部川の淡い緑色、
微妙に違う水の色が美しさを際立たせている。


猿専用吊り橋。
野生の猿のための橋で、猿が対岸へ移動できるように作られたとか。


仏石。
仏の姿に似た形の天然の岩で、岩場に立っている。


後曳橋。
沿線で、最も高くて険しい谷に架かる、高さ60m、長さ64mの橋で、
入山者があまりの谷の深さに驚き、思わず後ずさりをしたことから、
後曳橋(あとびきばし)という名前で呼ばれるようになったそうだ。


水路橋。
ダムから発電所への水路。後曳橋と平行して架かる橋。
険しい渓谷に架かる地味だがどっしりとして風流な感じが良い。


ねずみ返しの岩壁。
ねずみでも登れないと言われる垂直に切り立つ岸壁。


黒部川第二発電所。
「周囲の自然景観との調和をはかった美しい景観をもつ発電所」
「周囲の美観に合致するよう配慮された優美な発電所」だとか。


冬季歩道。
線路沿いにコンクリートのシェルター状の物が見える。

最初に書いたように、一般客向けに運行されている観光鉄道だが、
ダムや発電所への資材運搬や電力会社関係者専用にも運行される。
黒部峡谷は、冬期は積雪が多く、雪崩による危険性も高いことから、
黒部渓谷鉄道は冬期の12月から4月中旬までは運休するそうだ。
その運休中に、ダムや発電所との間を結ぶための「冬季歩道」だ。


前日2日間は天気も悪かったらしく、気温は零下で寒いと脅された。
「冷蔵庫の中にずっと入っていると思って下さい」とも言われた。
薄手のダウンジャケットの下に予備で持って行ったセーターも着た。
念のためにと持って行ったマフラーを首に巻いて、手袋もはめた。

ところが、天気が良かったからか、風もなくて全然寒くなかった。
薄手でもダウンのジャケットが効果的だったとも思える。
持参したカイロなど使うこともなく、マフラーも要らなかった。


トロッコ列車にはこのようにガラス窓付きの車両もある。
いくらかのお金を出せば窓付きの車両に乗れると言われて、
希望者は何がしかのお金を出して、窓付きの車両に乗った。
でも私は、「お金を出しても窓なしの車両を希望する」と言った。
ガラス窓越しの撮影では、写真を撮るには不都合だからだ。


泊まったホテルは山の中をどんどん上がって行った場所にあった。
雪が積もった林の中を抜けると、青い空に真っ赤な屋根が映えていた。

雪景色に興奮して、いろいろ雪景色を撮ったが、
翌日は雪景色の中を歩き回ることになり、
たった一日で雪景色が珍しくもなくなった。


立山黒部アルペンルート・雪の大谷ウォークへ続く



戻る   目次へ