雨の蒜山・大山をドライブ


いつも一緒に旅行に行く友人夫妻と今回は友人の運転で車で行くことになった。
車なら要らぬ荷物は車に乗せて移動できるので、散策する時は小さなリュックで良い。
身軽に散策できると、それは良かったのだが、今回は天候がいけなかった。
ずっと快晴が続いていたのに、天気予報では、出かける3日間だけ「雨」となっていた。

日帰りなら、良い天気の日を選んで出かけることができるというものだが、
泊りがけの旅行は、宿泊するホテルの予約をしなければいけないし、
4人の都合の良い日を調整して早くから日にちを決めなければならない。

昔なら、「天気予報というのはどうせ当らないものだから」と楽天的になれるが、
悪いことに(本来は「良いことに」だが)、最近の天気予報は実によく当る。
案の定、我々が出かけた3日間ひどい降りではなかったが、ずっと雨だった。
何を血迷ったか、よりによって、我々が出かけた3日間だけが雨だったのだ。

しかし、こんなにドンピシャリ3日間だけが雨というのは、実に見事だ。
こんなにドンピシャリと雨に当るのも珍しい、滅多にないことだ、
と、開き直って話題にしない手はない、ということで、話題にしています。

結論から先に書くと、蒜山三座も大山も見えなかった、のだ。
山々の紅葉は、今まさに紅葉の真っ盛りと、紅葉の時期には良かったのだが、
太陽が当っていればどんなにきれいな紅葉かと思える様子で、残念だった。
仕方ないので、車で見て回った場所を順番に入れてみよう。


蒜山ワインのワイナリーで試飲をした。


紅葉した山を背にコスモス畑に続く蒜山ハーブガーデン。
季節によっては、50種類以上のハーブが楽しめるそうだ。
オリジナルハーブティをいただき、ラベンダーソフトを食べた。


泊まったホテルからは、上蒜山、中蒜山、下蒜山の雄大な蒜山三座が一望できるはずだが、
頂上には重苦しい雲が垂れ込め、晴れることはなく、牧草地には馬も牛も出ていなかった。
朝早く撮ったのと少し待ってから撮ったのとでは明るさが違って頂上が晴れる期待もしたが、
頂上に重く垂れ込めた雲は、時間が経っても晴れることはなく、何ら変ることはなかった。


せっかくなので、秋らしい落ち葉の写真でも載せておこう。


せっかくなので、高原らしい紅葉の写真も入れておこう。


「蒜山高原」に別れを告げて、これから「大山」へ向かいます。


ドライブ中は、美しい森や林の中も走り、雨を忘れる気分だったが、
遠くの山は全く見えないし、近くの山も雲か霧がその姿を隠している。


鍵掛峠。  大山の南壁が見える展望所だが、何も見えない。
あの辺りに大山の南壁が見えるはずだという写真を撮っておいた。
後から来た人に「どれだけ待っても駄目ですか?」と問われたが、
この日は、どれだけ待っても駄目だったことでしょうよ。


負け惜しみでなく、霧に霞むブナ林も何とも良い雰囲気ではないか…。


三の沢、二の沢、一の沢と続くこの辺りも良い雰囲気だ。
写真を撮りたいと言えば、車を停めてもらえるのも良い。
この日は、車の前も後ろも、すれ違う車も少なかった。


同じ場所で撮ったものだが、同じ雨でもこんなに違う。
上は行きの9日に撮り、下は帰りの10日に撮った。

沢といっても水が流れている訳ではなく、土砂の崩壊によってできたもの。


大山は、風化が激しくて常に落石が起り、大雨が降ると土石流が発生して、
道路は土砂の通り道になり、道路を横断して土砂が下流へと流れて行く。
そこで、このように一の沢、二の沢、三の沢とも砂防堰堤が作られている。

ちなみに、高校生の時に学校行事で、頂上への縦走をしたことがある。
両サイドは目も眩むような絶壁の上の稜線は歩くには大変幅が狭くて、
這って渡った生徒や、どうしても歩けないと引き返した生徒も居た。

それが、いつからか稜線が両サイドとも崩落して縦走禁止になったと聞いている。
2000年に発生した鳥取県西部地震以降、山肌の崩落が激しくなったからだとか。


何と、道路の真ん中に大きな木が立っています。


大山麓の石畳を歩き、長い長い階段を上がり、
大山寺本堂から大神山神社奥宮までお参りした。


大山寺本堂から下りた横手を上がると、南光河原と呼ばれる場所へ出る。
両側に絶壁がそそり立っている所が「金門」と呼ばれている岩壁である。
合間から眺める大山の北壁は「神」のように見えるそうだが、見えなかった。


金門の南側にあるのが「賽の河原」である。
北壁から崩れた石が堆積して広がっている。
そこでは、あちこちで小石が積まれている。
子供を亡くした親が幼子の霊を慰めるために、
河原の石を積み重ねて作った石の塔が数多くある。


同じ道を帰るのも芸がないと、別の道を帰った。
これが正解で、秋色の道を気持ち良く歩いた。

道の左端に並んでいる石は一体何でしょう?


はい、ユニークな表情の石仏です。


次に寄ったのは住宅地の中にある名水「本宮の泉」。
名水もだが、たくさんのクレソンとバイカモを見ることができた。
秋色に染まる周囲の木々と清水の中の水中植物を見ながら休憩した。


淀江どんぐり村では、本宮の泉から湧き出た水が引かれていて、
人々は、おいしい水を汲んでペットボトルに入れて持ち帰っていた。


泊まったホテルの庭からは、こんな雨の天候では、時刻によって、
眺める池の色も近くの山の色も違って見えて、それはそれで良い。


今回の旅行の最後の日は、先ずは、ブルーベリー畑を見に行った。
広大な畑にずら〜っと大変な数のブルーベリーの木が植わっていた。
最近、畑でブルーベリーも育て始めた友人が、大変参考になったと、
この畑を見られただけでも来た甲斐があったと喜んでいた。


次に訪ねたのは、植田正治写真美術館。
大山と人工池に映る「逆さ大山」を見ることができるそうだが、
ところが、行ってみると、ズバリこの日は何と休館日だった…。
これまでなかったことだが、今回はどこまでもついてない…。


スキー場のリフトを見て懐かしく思い出した。
「中の原スキー場」の名前も思い出した。
夏に縦走をした高校生の時、冬にはスキーをした。
高校1年と2年の時に2度ばかりスキーに行った。
その時の思い出を15年前に書いている(こちら)。


桝水高原から見えた大山。
丸3日間雨であまりにかわいそうだと思ってくれたのか、
最後の最後になって、チラッとその姿を見せてくれた。

が、この程度を「見えた」と言って良いかどうか、分らない。
ともかくも見えたことは見えたが、ぼんやりとした輪郭だけでは、
心情的にはとても「見えた」とも言い難い。

ということで、
見えなかった大山にも別れを告げて、帰路につきます。
ところが、ついてなかった今回は最後までついてなかった。

帰りは、事故による渋滞に巻き込まれ、「泣きっ面に蜂」だった。
しかし、事故の当事者にならなかっただけで良しとしなければ。
後期高齢者の運転で無事に帰ってきたことだけで良しとしよう。

近頃何かと話題の後期高齢者の友人(あえてこう書くところが心憎い?)、
長時間の車の運転、お疲れさまでした。 ありがとう。 感謝です。



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