九寨溝の澄んだ色
去年は夫の仕事に付いて成都へ行き、九寨溝へも行く予定だったのが、
九寨溝の上空まで行きながら、強風のために飛行機が降りられず、
飛行機は成都へ引き返してしまい、無念の涙を呑んだ。
今年はそのリベンジで、友人夫妻と一緒に団体ツアーに入って行ってきた。
今年も駄目だったらどんな顔をして日本へ帰ったら良いやら、とても帰れない、と、
九寨溝上空に近づいた時には、今年は降りられるだろうかとヒヤヒヤドキドキだった。
幸い、何事もなく飛行機は着陸し、ずっと雨合羽も傘も使うことなく、天候にも恵まれた。
九寨溝への入り口で、あまりの人の多さに思わずカメラを向けてしまった。
あちらでもこちらでも大声で中国語を話す中国人の観光客の多さにはびっくり。
環境保護のため天然ガスの専用チャーターバスで移動して見所では歩いて観賞する。
団体でまとまって歩くのは無理で、何時何分にバスに戻るという約束で自由に見て回る。
Y字形の渓谷に沿ってチベット族の9つの集落(寨)があったことから九寨溝と呼ばれる。
100以上の大小の湖沼が連なり、エメラルドグリーン、マリンブルーの澄んだ水は底が見通せる。
歩いた順番に写真を載せてみよう。
諾日朗瀑布。
標高2365mにある。
落差は25mだが、幅は300mを超し、中国最大だとか。
鏡海。
静かな湖面はまるで鏡のように澄んでいる。
五花海。
2471m地点。 深さ5m。
浅い湖底にはたくさんの倒木が横たわっていて、
透明度が高いので、水の中とは思えないほどくっきりと見える。
黄龍よりは塩素が少ないのか、ここには魚が棲んでいて、
湖水を泳ぐ魚は魚裸鯉と言い、ウロコが小さい鯉だそうだ。
熊猫(パンダ)海。
2584m地点。 深さ14m。
九寨溝一帯には貴重な野生動物が棲んでおり、パンダも生息していて、
パンダがよくこの湖近くにやってきたことから熊猫海と名付けられたとか。
箭竹海。
2618m地点。 深さ6m。
パンダの餌である竹が生えていたことからこの名前が付いたとか。
昼食のために一度下りて、ここを見てから再び上がる。
珍珠灘。
2433m地点にある。
木々の間を流れ落ちる水の音は自然の勢いを感じる。
珍珠灘瀑布。
諾日朗瀑布に比べて幅は180mと狭いが、落差は40mあり壮大だ。
長海。
標高3100m地点。 九寨溝で最も奥まった所にある。
九寨溝で最も大きな湖で、氷河の浸食によって生まれた氷河湖である。
同じ方向を見て撮ったものだが、上から見下ろして撮った写真と、
下へ下りて撮ったのでは微妙に色が違って見える。
九寨溝では、日光の強弱や射し込む角度によりいろいろな色に変化するそうで、
この日は曇り空だったので、晴れた日にはどのように見えるのか比べて見たいものだ。
木々の間から濃い青色の湖が見えた時には思わず歓声が上がった。
五彩池。
2995m地点。 最深部で約7m。
長海から北に1km程戻った所にある。
老虎海。
樹正瀑布。
樹正群海。
あちこちの木々の間から流れ落ちる水が集まり川となって、
その水がまた木々の間に流れて入って行く、という自然の営みが、
何とも美しい風景を形作っていた。
最後の写真は、その美しい水の中で目を引いた赤い木の根。
水の中で木が成長するためには根が水の中を浮きながら漂い、
ひげのような根が水中から栄養分を吸い取っているのだとか。
なるほど。観光客もしっかりと吸い寄せているようだ。
黄龍の不思議な景色へ続く
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